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い も う と 42 ページ43



「…このクッキーうまい。」

「本当ですか??この前いただいたものなんですよ。」


頂き物のクッキーを並べ、少しながら紅茶をいれて少し遅めのお茶会が始まった。
ごはん前だから少ししか食べることができないが、それでも十分みんな楽しめているようだ。
特に十座先輩とか。


「にしても、至さんって本当に教えるの上手なんですね。さすが元家庭教師。」

「本当、至君がいてくれて助かったよ。俺、数学とかの理系分野得意じゃないから。」

「…そう?それはよかった。」


私たち兄弟の言葉に、至さんは満足そうに笑った。
いつもと違って今日は前髪がちょんまげになっているから、なんだか不思議な気分だ。

(これが普段の至さんってことか…ギャップ萌えかな??ん??)

クッキーをつまみながら、ぼぉっと至さんの顔を見る。
目の前で繰り広げられている会話も頭に入ってこず、上の空だ。
___ここ最近、至さんに対して変な気持ちになることが多い。
何をしても、変に意識してしまうというか、ドキドキしてしまうというか。

最初は顔がよすぎて緊張しているんだ、と思っていたのだが…なんだかそれだけではない気がするのだ。
正直、こんな気持ちになるのは初めてだからよくわからない。

(いや待て…初めてじゃないな。)

そうだ。以前たるちさんとゲームをしていた時も同じような気持ちになったではないか。
胸を締め付けられるような、甘酸っぱい感覚。

(おいおいそれって…同時に2人の相手に恋をしたってことじゃないんですかそれ?!)

いや、まだだ。まだ好きと決まったわけではない。
だが、それが本当だとしたら…

「ふあぁ…嘘やん…」

「Aチャン??どうしたんスか??」

「あぁ、ごめん気にしないで…」

「いや気にするだろ…」


突然頭を抱えだした私を見て、太一が声をかけてくれたおかげでようやく現実に戻ってきた。
今じゃ天馬くんのツッコミも鮮明に聞こえる。
ちらっとの至さんを盗み見るが、真剣に須スマホを見つめているからかこちらには気づかない。
きっと今の情けない私の一部始終にも気づかなかっただろう。好都合だ。


「いや、うん、宿題疲れたなぁって」

「?そうか、確かに疲れたな。」


私の雑な誤魔化し方にまったく疑問を抱かない天馬君が心配だ。
…いや、触れないでくれという気持ちが伝わったのかもしれない。

その後もしばらくお茶会が続いたのだが、私の頭の中では2人のことでいっぱいだった。

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設定タグ:A3! , 茅ヶ崎至 , 月岡紬   
作品ジャンル:恋愛
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雨村(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» わわわ!!!本当ですね!!笑なんだか危ない感じに……( 報告ありがとうございます、修正しておきます!! (2018年10月14日 22時) (レス) id: a3cc1f37d6 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 36のとこで、勉強がべんきになってますぞ…最初色んな意味でビビりましたわw (2018年10月14日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
雨村(プロフ) - にゃるさん» ありがとうございます…!!最近は更新ペースがなかなか安定しなくて本当申し訳ないです。頑張ります!!! (2018年8月22日 1時) (レス) id: 291ab6483c (このIDを非表示/違反報告)
にゃる(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。これからも頑張ってください (2018年8月21日 21時) (レス) id: 1eb7bde713 (このIDを非表示/違反報告)
雨村(プロフ) - 通行人Aさん» ほんとだ!!間違いです、すみません(><)ご指摘ありがとうございます!!修正しておきます。 (2018年8月21日 11時) (レス) id: a3cc1f37d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨村 | 作成日時:2018年7月23日 0時

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