い も う と 29 ページ30
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「むー...」
画面に表示される、数々の選択肢。
どれを選択すれば、一体“彼”は落ちるのだろうか。
そのうちの1つを選ぶと___
『そっか...俺じゃ君の力にはなれなさそうだね。ごめん。』
「びゃあああ!!!ごめんね悠陽くん!!!!」
「Aちゃん?!」
突然叫んだ私にいづみさんは驚いたように私の名前を呼んだ。
画面では親愛度が下がったことを告げるサウンドが鳴っていた。
「いづみさん...どうしましょう、悠陽くんに嫌われました」
「いや悠陽くんって誰なの?!」
この人です、とゲーム機の画面を見せると、あ...と察したように頷かれた。
画面に写っている男の子は、どこかお兄ちゃんに似ている顔立ちだ。
性格もしかり。
(好みバリバリお兄ちゃんみたいなタイプだからなぁ)
リアルでの恋愛経験は、はっきりいって小学生以来ない。
2次元では、それこそ数々の乙ゲーをクリアしてきただけあって、それはもう恋愛マスターを名乗れるくらいだ。
___なのだが。
「いや絶対あってたよ今ので...なんでや」
「すごい自信だ...」
最近は、乙ゲーからは離れていたからか...関係無い気もするが、とにかく失敗したのは自分のことながら意外だった。
うぅ...と項垂れていると、いづみさんがAちゃんってさ、と話し始めた。
「彼氏...とかいたことある?」
「にっ、2次元なら100人くらいは...!!」
「いないんだね。」
「そんなきっぱり...!!」
確かに、生きてきた上で彼氏がいたことは無い。
小学生の頃は、ひたすらお兄ちゃんが好きだったから誰かに惚れることはなかった。
中学生になると、ゲームにハマりだしそれからずっと2次元の相手に恋焦がれる日々を送っていたのだ。
高校生では、推しを自分で描いて自分で萌える自給自足の日々を送る始末。
(そりゃいねぇわ)
見た目はお兄ちゃん譲りで可愛い感じ(?)のはずだ。
ゲーマーでオタクなのは隠してきたし、男子に告白されることも多々あった。
ただ、皆2次元男子たちに比べたら劣っていた。
要するに惚れることはなかった。
「いやね、Aちゃんココ最近ずっとたるちさんのことを必死に探し回ってるから好きなのかなーって。」
「ふぁっ?!な、そんなわけ...ないと思うんですけど...」
段々と語尾が小さくなっていく。
自然と顔に熱が集まっていく。
「ははーん?」
「いや、いづみさん違いますから!!」
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雨村(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» わわわ!!!本当ですね!!笑なんだか危ない感じに……( 報告ありがとうございます、修正しておきます!! (2018年10月14日 22時) (レス) id: a3cc1f37d6 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 36のとこで、勉強がべんきになってますぞ…最初色んな意味でビビりましたわw (2018年10月14日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
雨村(プロフ) - にゃるさん» ありがとうございます…!!最近は更新ペースがなかなか安定しなくて本当申し訳ないです。頑張ります!!! (2018年8月22日 1時) (レス) id: 291ab6483c (このIDを非表示/違反報告)
にゃる(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。これからも頑張ってください (2018年8月21日 21時) (レス) id: 1eb7bde713 (このIDを非表示/違反報告)
雨村(プロフ) - 通行人Aさん» ほんとだ!!間違いです、すみません(><)ご指摘ありがとうございます!!修正しておきます。 (2018年8月21日 11時) (レス) id: a3cc1f37d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨村 | 作成日時:2018年7月23日 0時