い も う と 27 ページ28
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「あ゛ーっ、つっかれたーっ!」
万里先輩とたるちさんとのゲームを終え、部屋に戻ると、お風呂上がりであろういづみさんがソファに座りくつろいでいた。
「ここ何日かでAちゃんのキャラ掴めた気がするよ私」
「あはは、照れるなぁ...」
「__その笑い方、すごく紬さんにそっくりで、兄妹なだなぁって感じがする!」
はっとしてしまう。
自然とやっていた、この笑い方。
(お兄ちゃんも、いつもこんな感じでわらってるかも...)
「やっぱ家族、だからですかね。」
7歳も離れた、かっこいいお兄ちゃん。
頭がよくて、お花とお芝居が大好きな優しい人。
小さい頃からお兄ちゃんことが大好きで、そのそばを意地でも離れなかった。
「小さい頃の私には、お兄ちゃんがすっごくかっこよく見えたんですよ。もちろん、今もですけど。」
何かに向かってストイックに、真剣に取り組むお兄ちゃん。
私はその背中を見て憧れていた。
...私にはそういう風になれるものはゲームしかなかったけれど。
「お芝居をしているときのお兄ちゃんは、1番輝いてました。本当に楽しそうに、演じてて...」
舞台の上で輝くお兄ちゃんを見て、幼いながらも私はすごく感動した。
人はこんな風になれるのかと。
「だから、お兄ちゃんが演劇をやめる、なんて言い出した時は本当に悲しかったんです。」
舞台の上であんなに輝いていたお兄ちゃんを、
楽しそうに芝居をしていたお兄ちゃんをもう見ることは無いのかと。
___私には、暗い顔をして帰ってきたお兄ちゃんに何の声もかけてあげられなかった。
演劇をやめると言ったお兄ちゃんを止めることもできなかった。
悲しそうな背中を、見つめることしか出来なかった。
「だから、監督さんには本当に感謝してるんです。また、お兄ちゃんにこんな素敵な場所で芝居をさせてくれる、監督さんに。」
また、芝居をしているお兄ちゃんを見ることが出来る。
それだけで私は幸せだ。
「...そっか。今の紬さん、すごく芝居を楽しんでいると思う。それは紬さん自身が変わったからだと思う。でも少しでも力になれたのなら嬉しいな。」
「監督さん...」
(本当に、明るくて、あったかい人だなぁ)
監督さんの笑顔を見ていると、自然と笑顔になれる。
本当、監督さんが監督で良かった。
「あの、監督さん。...いづみさんって呼んでもいいですか?」
「...!!もちろんだよ!」
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雨村(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» わわわ!!!本当ですね!!笑なんだか危ない感じに……( 報告ありがとうございます、修正しておきます!! (2018年10月14日 22時) (レス) id: a3cc1f37d6 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 36のとこで、勉強がべんきになってますぞ…最初色んな意味でビビりましたわw (2018年10月14日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
雨村(プロフ) - にゃるさん» ありがとうございます…!!最近は更新ペースがなかなか安定しなくて本当申し訳ないです。頑張ります!!! (2018年8月22日 1時) (レス) id: 291ab6483c (このIDを非表示/違反報告)
にゃる(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。これからも頑張ってください (2018年8月21日 21時) (レス) id: 1eb7bde713 (このIDを非表示/違反報告)
雨村(プロフ) - 通行人Aさん» ほんとだ!!間違いです、すみません(><)ご指摘ありがとうございます!!修正しておきます。 (2018年8月21日 11時) (レス) id: a3cc1f37d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨村 | 作成日時:2018年7月23日 0時