い も う と 21 ページ22
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「あらあら、イベント2位止まりだった“るな子”さんじゃないですかぁ、昼食べよ。」
「あらあら、そちらは急にサボって順位を下げた6位“あぶらあげ”じゃないですかぁ、もち。」
友人、もとい“あぶらあげ”さんのノリに付き合いながら、お互い席につく。
各々お弁当を広げ、いただきます、と手を合わせた。
今日のお弁当は臣ママスペシャルだ。朝わざわざ作ってくれた。
お弁当箱から、大好きな綺麗な形のたまご焼きをつまみ、思いっきり頬張る。
(味付けは...砂糖と、みりん...あとはごま油かな。むちゃくちゃおいしい...)
私好みの甘めの味付け。
どこで知ったのか分からないが、これはもう流石としか言いようがない。
「__それで?寮での生活はどうなの?」
「あー...。んー、お兄ちゃんがこれ以上無いくらいにかわいくて仕方がない。尊い。」
「いや、ブラコン。」
そういうことが聞きたいわけじゃないのにー、と頬を膨らます友人。
お兄ちゃんが可愛いのは事実だからしょうがない。
「そりゃ、男ばかりの寮に入ったんだし、あ、あの人カッコイイ!!!...みたいなのあるでしょ」
「それ、誰の真似なの...」
女子である友人が、裏声を使って喋っているのは酷く滑稽な光景だった。
(...かっこいい、人か)
すぐに思い浮かぶのはお兄ちゃん__だと思っていたのだが。
「至さん...かな。」
「いや誰」
珍しいこともあるみたいだ。
__思っていたよりも、私の中では至さんの存在が大きいのかもしれない。
「えーっと、その...イタルさん?は何、イケメンなの?」
「うん、紛うことなきイケメン。顔も性格も。ミーハーを一網打尽だよ、きっと。」
「そりゃやべぇわ。」
この数日でも分かるぐらい、本当に非の打ち所のない、完璧な人だ。
すると友人は、ピッと箸をこっちに向けて、真剣な表情で語りだした。
「...でもさ、顔と性格って伴わないものでしょ?」
「たしかに...」
「大体会って数日とかそこらのアンタだから性格までイケメンに見えてるだけで、本当はヤバいやつかもしれないよ?」
「...そういうもん?」
「そういうもん。」
てか行儀悪い、と愚痴を零せば、めんごめんごと友人はいつもの調子に戻った。
(考えてみたら、至さんってあんま素で喋ってる感じないかも)
___本当の、素の至さん。
会ってまだ間もない私だけど、きっとあの優しさは嘘じゃない気がする。
なぜか、そう思えた。
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雨村(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» わわわ!!!本当ですね!!笑なんだか危ない感じに……( 報告ありがとうございます、修正しておきます!! (2018年10月14日 22時) (レス) id: a3cc1f37d6 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 36のとこで、勉強がべんきになってますぞ…最初色んな意味でビビりましたわw (2018年10月14日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
雨村(プロフ) - にゃるさん» ありがとうございます…!!最近は更新ペースがなかなか安定しなくて本当申し訳ないです。頑張ります!!! (2018年8月22日 1時) (レス) id: 291ab6483c (このIDを非表示/違反報告)
にゃる(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。これからも頑張ってください (2018年8月21日 21時) (レス) id: 1eb7bde713 (このIDを非表示/違反報告)
雨村(プロフ) - 通行人Aさん» ほんとだ!!間違いです、すみません(><)ご指摘ありがとうございます!!修正しておきます。 (2018年8月21日 11時) (レス) id: a3cc1f37d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨村 | 作成日時:2018年7月23日 0時