Story29 ページ31
「妹…？」
どうして飛影が骨爛村に行きたいのかが分かる一言である。まさか飛影が雪菜という氷女の兄だったとは、驚きが隠せない。
「俺はもう行く」
そう告げ、作法に則って玄関から出ていく。ピリッ、と何かを感じた。結界だ。後ろを振り向けば先程驚きから解放された裕加が立っていた。
「飛影、私も一緒に行くよ。それに、監視対象が目の前にいて同行しないわけにはいかないから。」
ついてこれるものならついて来い、そう言いかけてやめた。『監視対象』と言う言葉にムカついたからである。迷宮城から感じるこのモヤモヤした気持ち。監視という言葉でまたこの気持ちが分からなくなった気がして、更にイライラが募る。
(この女…本当に何者なんだ…)
結界が解かれ、裕加からの提案により、家々の屋根の上を走る二人。飛影は迷宮城でも発揮された持ち前の速さで屋根の上を駆けていく。そのすぐ後ろには平然と飛影の速さについてくる裕加。
(白虎戦の時、素早く白虎の足元に移動していたな。閃光の中でも移動していた…)
白虎戦を振り返れば自分の速さについてくるのも頷ける。それは飛影のモヤモヤした気持ちを幾分か減らした。
(何なんだ、この気持ちは…？)
そうしているうちに二人は垂金の別荘がある私有地に着く。遠くから感じる妖気と霊気のぶつかり合い。霊気は幽助と桑原のものだろう。妖気の方はそれほど強いとは感じない。
「飛影、私達は裏から行こう。幽助達は正面から乗り込むみたいだから陽動になるよ。敵も大したことないから、裏から行って雪菜を救出しよう」
幽助達の霊気で動向を把握しながら裕加は飛影に尋ねる。
「本当に雪菜の兄なんだね」
「どういうことだ？」
「雪菜は氷女。その名の通り冷たい氷の妖気を感じる。反対に飛影からは炎の妖気。でもどこか気が似ている。」
「何故俺の妖気が炎の妖気だと言い切れる」
「青龍の氷を一瞬で溶かす妖気。それに…」
(あの人に似ているから)
言葉を濁した裕加に飛影がこれ以上聞いてくることはなかった。
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アマミヤ(プロフ) - 夾さん» コメントありがとうございます！飛影かっこいいですよね〜分かります(^ー^)これからも宜しくお願いします！ (2020年3月21日 18時) (
レス) id: fc88c8f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
夾 - ここまで読ませて頂きました。飛影がかっこいいです！これからも頑張ってください！ (2020年3月21日 18時) (レス) id: d64271d75d (このIDを非表示/違反報告)
アマミヤ(プロフ) - 灯霧さん» コメントありがとうございます(*ゝω・)ﾉ 是非、読ませて頂きます！頑張って更新していきます！ (2020年3月10日 11時) (レス) id: fc88c8f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - とても楽しいお話ありがとうございます！私も飛影オチの連載載せているので、良ければ見てください！そして続編の方の更新もお待ちしてます！ (2020年3月9日 16時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - アマミヤさん» 分かりました。更新再開お待ちしてます。更新頑張って下さい。 (2020年1月19日 15時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アマミヤ | 作成日時：2019年8月31日 20時
