【幽遊白書】重なることなき世界【飛影】

Story26 ページ28

「お主には敵わんのぉ…」
「次の依頼ですか？」
「そうじゃ。執行猶予が明けるまで蔵馬と飛影の監視を引き続き頼みたいのじゃ。お主が嫌なのは分かっておる。だが他に頼める人間界の者はいないのだ。」

(嫌か…)

確かに最初は監視など面倒事と思い、引き受けたくなどなかった。

「分かりました。依頼をお受けします」
「何かあったのか？」
「いいえ…ただ、あの四人に興味があるんです。彼らといると何故か楽しいんです。それに人間も悪くないなと…」
「そうか、それなら良かった。それともう一つ」

コホン、と咳払い一つ。こちらの方も重要な要件らしい。

「近々新たな依頼を頼みたい。数日後にはそちらに使いを送る。引き受けてくれるかの？」
「内容によります。」
「霊界探偵である浦飯幽助と助手のぼたんにも依頼するつもりじゃ」

浦飯幽助。彼は私の中で興味のある四人のうちの一人。彼がいるなら受けても良いと思ってしまう。

「分かりました。その依頼、引き受けます。」
「そうか。それでは宜しく頼んだぞ」
「失礼します」

今まで霊界からの依頼なんて嫌だった。ましてや妖怪の監視なんて。

(この気持ちの変化があの四人によるものなら、それも悪くないかも…)

妖魔街での彼らとの出会い。それが裕加の生き方を変えるなどこの時は誰も思っていなかった…

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