【幽遊白書】重なることなき世界【飛影】

Story16 ページ18

裕加が手招きをしたのを合図に全員が裕加の元へ向かう。

「おめぇ、強ぇな！」
「裕加さん、もしかして俺より強い…？」

((出来れば敵に回したくない、殺り合いたくない相手だ))

幽助と桑原が裕加の戦いを見て、思ったことを口にする。そんな中で飛影と蔵馬は興味深い話を耳にする。

「裕加さんの“れいこうらいがん“？って浦飯の霊丸と似てるっすよね」

その言葉に裕加は幽助に釘付けになる。

「幽助って霊丸が撃てるの？」
「そうだけどよ、それがどうしたんだよ？」
「幽助って幻海師範の霊光波動拳の正式継承者だったりする？」
「裕加さん、幻海婆さんを知ってるんですか？」
「私の師匠だよ」
「「はあぁぁあぁ〜！」」

驚きのあまりその場から動けなくなっている二人を放置し、飛影、蔵馬と共に先に向かう。


「貴様、その右腕を抱えても勝算があったのか？」

突然、飛影から話かけられた。

「先が見えない戦いなんてやらないよ？白虎には勝てる自信があった。」
「具体的には？」

今度は蔵馬から問われる。

「白虎の雄叫び、あれは全てを粉砕する振動波だった。なのに白虎は霊気を吸収する能力を使っていた。その能力ならあの雄叫びは不要、そう考えれば自然と他にも能力があるはずという結論に至る。そして、白虎の『跡形も残さず塵と化してくれる』と言う言葉。それで分子破壊を起こす球を体内で作り出すと仮定したの」

一見何も考えていなさそうに見えるが、先のことを見据えている。侮れない、そう二人に最初に思い知らせた。

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