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恭平side
一ヶ月後
彼女に会える機会は、突然訪れた。
でもそれは、あまり喜び難い出会い方やった。
俺は、いつも通りマネージャーから配られたファンレターから、
彼女のものを探し出し、中身を開いた。
『高橋 恭平くんへ
こんにちは。私は、天宮Aです。
今回は、勝手ながら、私の話を聞いてくれませんか。
私は、心臓病にかかっています。
生まれつきで、ずっと治療を続けていたのですが、
先日、医者に、余命宣告をされました。
「このまま治療を続けても、もって一年だろう」と。
私はもう、助からないようです。
私は、あと一年で死にます。
だから、厚かましながら、一つ、死ぬ前に、
私のお願いを聞いてくれませんか。
一年間、私と文通をしてくれませんか。
返事を、待っています。
天宮 Aより』
衝撃やった。
彼女は、俺のにこ下や言うてたから、まだ16、
高校一年生や。
…17歳までしか生きられへんのか。
俺が18やから、俺の年齢まで生きられへんって…
信じられへん。
謙杜「どうしたん、そんな暗い顔して。
…ああ、今回も住所書いてへんかったんか。」
恭平「いや、住所は書いてある。」
謙杜「そっかードンマイ。
って嘘‼ よかったじゃん‼」
恭平「でも、あまり喜べる内容やないっていうか…。」
頭に?を浮かべる謙杜。
俺は謙杜に手紙を読ませた。
謙杜「あと一年しか生きられへんって…
恭平、これは文通すべきや。」
恭平「それはわかってるんや。
…でも、俺語彙力あらへん。」
謙杜「ああ…そーやった笑
まあそこは、がんばれ笑」
恭平「手伝ってくれへんのかよ。」
とりあえず、帰りにレターセットを買おう。
でも、なにを書けばええんやろ。
ずっと気になっていた彼女が、もう長くは生きられない。
いきなりすぎて、その事実が信じられず、
彼女の住所を知れたことに、喜んでいる自分がいた。
このときの俺は、彼女がどれだけ苦しんでいて、
どれだけの思いをしているのか。
俺は、なんも知らんかったんや。
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瀬尾愛良 - ののさん» そう思ってくださる方が1人でもいるだけで、私がこれを書いた意味があったと思います。ありがとうございます! (2019年1月16日 2時) (レス) id: 96fbdf2fd4 (このIDを非表示/違反報告)
のの - 私が一番好きな作品です!何回見ても号泣してしまいます。本当に好きなので、消さないで欲しいです!遅くなりましたが、完結おめでとうございます! (2019年1月14日 19時) (レス) id: dd4fcee386 (このIDを非表示/違反報告)
結 - 号泣した 目がやばい (2018年7月28日 15時) (レス) id: daf58909f3 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 瀬尾愛良さん» キュンキュンしました! (2018年3月4日 20時) (レス) id: 591aecdf03 (このIDを非表示/違反報告)
優葉 - とっても面白かったです! (2018年1月24日 18時) (レス) id: dd4fcee386 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀬尾 愛良 | 作成日時:2017年11月4日 1時