期限付きの交際“高橋恭平”

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『恭平へ

こーやって手紙書くのいつぶりかな？

私ね、恭平に言わなきゃいけないことが

たくさんあるの。

嘘ついて、約束も守れなくて、ごめんね。


クリスマスにライブに見に行く

結婚する

これからも一緒に思い出をつくる


そんな簡単な約束も守れなくて、

お通夜も葬式も来るなとか、自分勝手だよね。

でも、どうしても、来てほしくなかった。

私、恭平のこと、大好きだった。

本気で、愛してる。

恭平も、私と同じ気持ちで、

私のことすごく大事にしてるの、伝わってた。

だから、私が死んだら、恭平はきっと

取り乱して、おかしくなる気がしたの。

でも、恭平は、私だけのものじゃない。

だから、ライブに影響が

出ないようにって思ったんだ。

ごめんね。

クリスマスのライブ、それを生きがいに

仕事や学校を頑張ってる人がいる。

だから、恭平には、笑っててほしい。

私は余命1年ってことを利用して、

恭平を独り占めしてしまった。

もう、大丈夫だから、みんなの恭平に戻って。


私のたくさんの初めてが、恭平でよかった。

本当に幸せな1年だった。

私は世の中で1番不幸な女の子だって

思ってたけど、恭平と出会えて、

1番幸せな女の子になれた。

ありがとう。

私は死んでまで、恭平を縛りたくない。

私は恭平の足枷じゃなくて、

恭平が世界に飛ぶための羽根になりたい。

だから、私の最後のお願い、聞いて。


私と、別れてください。

天宮 Aより』

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