期限付きの交際“高橋恭平”

３０ ページ30

恭平side

A｢映画、よかったね。｣

そう言って、俺に笑いかけるけど、
どこかぎこちない。

わかってる。あの映画に自分を重ねたんやろ？
でも、自分にハッピーエンドなないて思っとるんやろ？

大丈夫、俺が、Aのヒーローになるから。



貴女side


恭平｢なあ、ちょっと聞いてほしいねんけど。｣

A｢んー？ どうしたの？？｣

恭平｢...俺は、何年でも待つから。｣


A｢...え？どーゆーこと？｣

恭平｢俺は、Aの病気が治るまで、
何年でも待つ。8年でも、10年でも、20年でも。
せやから、病気が治るまで...付き合ってほしい。｣


A｢もー、冗談やめてよ笑
恭平はジャニーズだよ？それに私はあと1年で｣


ギュッ


A｢...え？恭平？？｣

いきなり恭平が抱きしめてきた。
初めてじゃないのに、この前もされたのに
この前よりドキドキしてる。

私、こんな気持ち知らない。なにこれ？


恭平｢そーやって、諦めて欲しくないねん。
俺は、Aが好きや。
だから、生きてほしい。｣

A｢...だって私、死んじゃうんだよ？
病気治るまでって、もう治らないんだよ？
死ぬまで付き合えってこと？｣


恭平｢そーやってネガティブになんなや笑
俺は死ぬまで付き合えって言ってるわけやないで？
病気が治ったら、 結婚しよう。｣


A｢...は？｣

恭平｢おい、プロポーズにその返事はないやろ笑｣

A｢え、だって冗談でしょ？
恭平ジャニーズだし、ダメに決まってるじゃん。｣


恭平｢Aは、俺のこと嫌いなん？｣


A｢...その質問ずるいよ。｣

恭平｢じゃあ、好き？｣


そーやっていつも恭平は私の中をかき乱して、
私の中に入ってくる。
ほんとずるい。

でも、私はいつの間にか、
ずっと恭平のこと考えてる。

ああそっか。この気持ちは


A｢...好きだよ。｣


“恋”っていうんだね。


恭平｢ホンマに！？よっしゃーー！！｣

A｢だって私、恭平のファンだよ？
嫌いなわけないじゃん。｣

恭平｢せやけど、自担とリアコ？って違うんやろ？｣

A｢私たぶん...何でもない笑｣

恭平｢え、なんやねん、教えろや！｣

A｢ふふ、教えなーい笑｣





絶対言えない。

“たぶん一目惚れしてた”

なんてね。

３１→←２９

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す