期限付きの交際“高橋恭平”

１ ページ1

恭平side

マ「ファンレター、ふりわけたので、取っておいてください。」

マネージャーがそう言って置いてったファンレターを、
みんなまず中身を読むより先に、量を比べ始める。

大吾「流星はやっぱ多いなぁ。
　 さすが俺の流星や♡」

流星「そういう大ちゃんも大量やで？
　 ミッチーはドラマ出てから一気に増えたなあ。」

駿佑「ですね。テレビの力すごいです。」

そんな会話も参加せず、俺はわき目も振らず、一通の手紙を探す。

恭平「あった…。」

いつも通り、世界地図風のデザインの封筒。

最初にこれ見たとき、びっくりしたんよなあ。
『変わった子やなあ』って。
でも、中を見たら、その理由が分かったんや。

便箋も、封筒と同じ世界地図風で、
『恭平くんが世界的に活躍できますように。』
って書いてあって。
スケールでかすぎやろって思ったけど、嬉しかったんや。
そんな細かいとこにまで、願いを込めてくれて。

手紙の内容も、俺の細かいとこまで見ててくれて、
俺の全部を肯定してくれてて、
すごく、自分に自信が持てる手紙で。

それから、一ヶ月に一回届く、その子、『天宮A』の手紙を読むのが、
俺の楽しみになってた。

２→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す