4.赤葦side ページ5
1週間くらい前のお昼休み。ほとんど人の来ることがない中庭で、俺はある面白い人と出会った。
時々廊下で中庭を覗くと、その人はいつも一人でお弁当を食べている。だが、その人はとても幸せそうに口いっぱいに頬ばるため、それが苦ではないことは分かっていた。
そして、不思議とその人に話しかけてみたくなった。背後からそろりと近づいた。お弁当のぱかっという空気の音がした瞬間、その人の背中は「待ってました」といわんばかりに輝かしいオーラを放った。
話題も何も考えていなかった俺は、なんとなく、その人の背後からお弁当を覗き込んだ。
「＿＿おいしそう、」
我ながら間抜けな声が出たと思う。
けれど、本当に美味しそうなのだ。綺麗な形の卵焼き、彩りの小松菜の和え物、そして、その中でも主張が激しいのがピックに刺さったミートボール。
その人は俺の声に反応したのか、視線をお弁当からゆっくり俺の方に向けた。
お弁当の持ち主の正体は、同じクラスの小野田さんだった。
小野田さんの焦りようをみて、なにか悪いことでもしたかと思ったが、そんなことよりもお弁当が気になってしかたがない。←
「……小野田さんのお弁当おいしそうだなぁって。手作り？」
「えと、うん、」
控えめの答えだったが、これをこの人が作ったのかと思うと、なんだかもっと美味しそうに感じた。
「……たべ、ますか、」
じーっとお弁当を観察していると、小野田さんはそう言った。やばい、見すぎたな。失礼だったよな。
色んな考えがよぎった。けど、どうしても食べてみたい、
俺は再度確認して、小野田さんからピックに刺さったミートボールをもらった。
一口、期待で大きく開いた口の中にミートボールを頬張る。
「う、…………うっっっっま、！！！」
思わず出てしまったうまいという声。自然と上がる口角。小野田さんはまたポカーンとしていたが、俺はそれを置いてきぼりにしてその人に迫った。
はっと我に返って、俺は何をしているんだと、何を舞い上がっているんだと言い聞かせる。
気持ちを落ち着かせるためにも、ポケットにたまたま入っていた飴を渡して、早歩きで中庭を出た。
少し歩いたところで、何をやっているんだと座り込んだ。
ふと、ミートボールのソースが指についていることに気づいた。
ぺろりと、ひと舐め。
「……はは、うまいなぁ、」
俺は、面白い人に出会ってしまった。
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ハイキュー!! - 続きが気になりますので、毎日チェックします！ (2021年1月24日 23時) (
レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
しの子(プロフ) - ぺぺろんちーねさん» コメントありがとうございます！私もニヤニヤしながらぐへへって書いてます←これからも楽しんでいってください！ (2020年12月13日 8時) (レス) id: af5276c9b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぺろんちーね - 赤葦くんと夢主ちゃん可愛すぎてヤバい。ニヤける。もう。好き。愛してる。←←更新頑張ってください！アッ、ニヤニヤとまんねぇ() (2020年12月12日 20時) (レス) id: 2b0723a85a (このIDを非表示/違反報告)
しの子(プロフ) - なっつ。元Naさん» コメントありがとうございます！私もそんなことを言ってくださる貴方様のことが好きでs(((これからも楽しんでいってください！ (2020年12月12日 9時) (レス) id: af5276c9b3 (このIDを非表示/違反報告)
なっつ。元Na - 待って好きです() (2020年12月12日 9時) (レス) id: 323c2d6c78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しの子 | 作成日時：2020年12月11日 22時
