名前 ページ2
そのあとは彼と話しながら町のほうへ帰った。
『あ、ごめん、自己紹介がまだだったね。私はA。ファデュイの執行官だよ…まあ、それなりに偉い人です』
「ふーん、じゃあAは強いの?」
『君の同僚よりは強いだろうね、君よりは…………どうだろう』
「なら、是非手合わせ願いたいね!」
ニコニコと人懐っこい笑みをこちらに向ける彼。
『うーん…いつか、ね。それで、君はなんてお名前かな』
「ああ、俺はアヤックス。強いヤツと戦うのが好きなんだ。」
『じゃあ、そのためにファデュイへ?』
確かにファデュイに入れば戦闘は多くなる。
でも戦いを求めてここに入る人は少ない。
「いや、親父に入れられて来たんだ。」
どんな父親だよ。まさかお父さんもファデュイ構成員なのか?
『お父さんを怒らせたの……?』
「……?いや?」
ああでも、ナイフとパンをもって家を飛び出したときは家族に怒られたっけ、などと思い出話を繰り広げてくれた。
『なんだかんだ、家族に愛されてるんだね』
「…そうかもね」
小さく呟くように放たれた言葉はそっけなかったけれど、
彼の顔は慈愛に満ちた笑みが浮かんでいた。
この子も家族を愛しているんだなあ、となんだか急に可愛らしく思えてきて少し頭を撫でてやった。
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作成日時:2022年7月18日 22時