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第九十二話side安室 ページ7

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事の発端はAさんが看病してくれた翌日の事。
Aさんと同時に鳴った電話の主は昔お世話になった敏腕郊外弁護士葛西裕樹(ゆうき)さん。

連絡を取るのは2年ぶりくらいか…。



「はい、降谷です。」

「お、降谷くん久し振り。」

「こちらこそお久しぶりです。外国でのご活躍色々と聞いてますよ。」

「はは、降谷くんに言われると嬉しいが…今日はそういう電話じゃ無いんだ。ちょっとプライベートな話を、ね。」

「……はあ。プライベートな話。」

「うん、実はうちの娘のことなんだけれど。」

「あぁ、娘さん。確か東都大学に在学してましたよね…もう二年になるんでしたっけ。」

「それで、娘に降谷くんを紹介したいんだ。……まぁ君も忙しいだろうし本当に可能であれば、でいいんだけど。」



少し考えながらスケジュールを脳内で確認する。
葛西さんには相当お世話になったが、俺も俺で忙しいことも事実。

それに女を作っているほど俺も余裕じゃないし……そもそももう既に俺には好きな人がいるのだ。



いや、でも待てよ…?
葛西という名字は特別珍しい訳では無いがそれに加え東都大学二年生、これほど合致することがあるのか?



……もしかして、その娘さんって。


ドアの向こう側で何か話しているらしいAさんの横顔を見ながら受話器越しに口を開いた。





「……あの、葛西さん。娘さんの名前、なんでしたっけ?」

「あ、言ってなかったね。Aって言うんだ。」

「行きます。葛西さんの頼みなら断れませんしね。」

「……本当!?良かった、嫁がうるさくてね…助かったよ。」




どうやら俺の勘は当たっていたらしい。
にしても葛西さんの娘さんとは……それであの鋭い観察眼を持っているのか。

なんだか納得できるような気がする。



即答すれば向こうから嬉しそうな声が振ってきてこちらも頬が緩んだ。

近づく絶好のチャンスだ。
向こうは俺が利用しているだなんて知りもせずに舞い上がっているのだろう。



心中すみません、と謝罪しつつも小さくその場でガッツポーズをした。




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花帆 - こんばんは、安室さんとの両想い…!!甘くてトキメキます(*´ω`*)これからの展開も楽しみに応援しております♪ (2018年7月17日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
瑛奈(プロフ) - 初めまして!いつも楽しく読ませていただいます!ついに夢主ちゃん、安室さんが好きだって自覚しちゃいましたね(笑)今後の展開で降谷さんとしてはどう動くのか楽しみです(笑)更新大変かもしれませんが頑張ってください! (2018年7月1日 15時) (レス) id: 7374128719 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!夢主さんどんどん大変になってきますね…実質は相手2人なのに(笑) 目が離せません! (2018年6月18日 9時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
mao(プロフ) - 更新ご苦労様です!主人公うらやましい!(笑)安室さんファイトって応援したくなりますね! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 5697599ead (このIDを非表示/違反報告)
来夢*゚(プロフ) - salomeさん» もう、いろんな人たちがてんやわんやしてますね…!工程通り進めましたが中々書く方はハードです…笑 これからどうなるかどうぞお楽しみに! (2018年6月17日 19時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:来夢*゚ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/playlistra/  
作成日時:2018年6月13日 20時

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