第百十二話 ページ27
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｢そん、な。私、安室さんとは何も関係なく…｣
｢ホー…安室くんと関係ない女性がこんな所に二人でくるのか？｣
｢それは…｣
｢君に、俺を知って欲しいんだ。沖矢昴に向けられる目線にでさえ嫉妬してしまいそうになる。｣
青になり、布の擦れる音と赤井さんがハンドルを握って車を走らせ周りの風景が少しずつ変わっていく。
ぐるぐる目まぐるしく変わる景色はまるで今の私の脳内のようで、俯いて拳を握り締めた。
最低だ、私。
赤井さんにこんな事言わせて、そして安室さんに迷惑かけて。
｢……そんな、悲しい目をするな。Aさんは何も悪くないぞ。｣
｢でも、私が答えを出さないから。｣
｢俺も安室くんもAさんの最良の選択なら文句は言わないさ。｣
｢そろそろ選んでほしいと言ったのはどの口ですか。｣
｢はは、確かにそうだったな。｣
軽く、軽快な笑い声が車内に響き反響する。
けれども、今はその軽快な笑い声でさえ自分を追い込む要素になり得る。
赤井さんの好意に甘えている場合じゃない。
知らないと言って目を逸らすのもそろそろやめにした方がいいのかもしれない。
｢……最良の選択…とは言ったが俺は欲深い人間でね。出来ることなら……俺を見ていて欲しい。｣
覗く双眸から見える景色はどうしても悲哀のマリンブルーにしか見えず、小さく笑った。
あぁ、もしかしたら前々から答えは出ていたのかもしれない、なんて。
自分の愚かさに気が付くと赤井さんの目が少しずつ少しずつ優しいものに変わっていく。
それは、まるでこうなることを分かっていたかのような。
｢……赤井さ…｣
｢……もう少し。……もう少しだけ、待ってくれ。｣
｢まだ私何も言ってませんよ。｣
｢俺が惚れた女だ、目を見れば何を言いたいかすぐ分かるさ。｣
｢……ふふ、変な能力。｣
｢君も今にきっと分かる。……さぁ、着いた。｣
キキ、とタイヤの擦れる音と優しく微笑む赤井さんの顔とが柔らかなハーモニーを彩る。
目の前にそびえる建物に首を傾げていると赤井さんが助手席のドアを開け私を下ろした。
｢……ここは？｣
｢さぁ？｣
｢意地悪な赤井さん。｣
｢ホー、俺を意地悪と罵るか。｣
｢……ありがとうございます。それと、ごめんなさい。私、やっぱり……｣
口を開こうとした瞬間に暖かな体温に包まれる。その体は微かに震え、ふわり煙草の苦い香りが脳内を刺激した。
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花帆 - こんばんは、安室さんとの両想い…！！甘くてトキメキます(*´ω｀*)これからの展開も楽しみに応援しております♪ (2018年7月17日 4時) (
レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
瑛奈(プロフ) - 初めまして！いつも楽しく読ませていただいます！ついに夢主ちゃん、安室さんが好きだって自覚しちゃいましたね（笑）今後の展開で降谷さんとしてはどう動くのか楽しみです（笑）更新大変かもしれませんが頑張ってください！ (2018年7月1日 15時) (レス) id: 7374128719 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！夢主さんどんどん大変になってきますね…実質は相手２人なのに(笑) 目が離せません！ (2018年6月18日 9時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
mao(プロフ) - 更新ご苦労様です！主人公うらやましい！(笑)安室さんファイトって応援したくなりますね！ (2018年6月17日 20時) (レス) id: 5697599ead (このIDを非表示/違反報告)
来夢*ﾟ(プロフ) - salomeさん» もう、いろんな人たちがてんやわんやしてますね…！工程通り進めましたが中々書く方はハードです…笑 これからどうなるかどうぞお楽しみに！ (2018年6月17日 19時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：来夢*ﾟ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/playlistra/
作成日時：2018年6月13日 20時
