第九十七話 ページ12
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「この間蘭姉ちゃんがトロピカルランドのチケット当ててたよね?」
「…へ?あぁ。うん。」
「蘭姉ちゃん僕と行こうって約束してたんだけどその日蘭姉ちゃん部活の用事が入っちゃって行けなくなっちゃったんだ。」
「あー!そうなんです!来週の土曜日なんですけど…園子も予定あるらしくてどうしようか迷ってて…。」
「ただの紙切れになるのも勿体無いし、二人で行ってきなよ!」
「……へぇ、遊園地かぁ。久し振りだなぁ……どうです、僕と行くのは?」
情報が一気に入ってきて頭が混乱する。
え?つまり、私が安室さんとデートをしろってこと?
トロピカルランドってかの有名な遊園地のことでしょ?私行ったことないんだけど…。
返事をしない私の様子がおかしいと思ったのだろうか、ぐっと顔を近づけられ「どうかしたんですか?」と耳元で擽るように声を出されれば思いっきり顔を離し首をブンブン縦に振る。
「……良かった、一緒に行ってくれるんですね!」
「…え!?」
「じゃあ今持ってきますね!」
「え、ちょっ、蘭ちゃん…!」
今のは安室さんが近づいてきた反動で…!
そう言おうとするも時既に遅し。
カラン、と音を立てて思い切り扉を開いた蘭ちゃんはそのまま駆け出し二階へ上がっていった。
コナンくんも、やれやれといった顔で見ている。
それなら何も言わないで欲しかったな…。
「ちょっと安室さん、さっきのはずるいです。」
「え?僕はなんのことだかさっぱり。」
「分かるくせに…!わざとですよね!」
「……もう手段なんて選んでる余裕ないんですよ。…だから、ね?」
「理由になってないですそれ…。」
目の前に差し出されたチケットを若干の苦笑いで受け取りつつも肩を落とした。
安室さんといればあの手この手で色々としてくるに違いない…そんな耐性私には無いんだけれども…。
はあ、と小さく溜息を吐き出せば隣でチケットに目を落とし微かに頬をだらしなく緩ませ控えめに微笑む安室さんの姿が目に入ってしまい、落とした肩を再度上げた。
怒涛のラッシュだけれどこんなに嬉しそうな顔をしてくれるんだったら……行ってもいいかも、なんて。
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花帆 - こんばんは、安室さんとの両想い…!!甘くてトキメキます(*´ω`*)これからの展開も楽しみに応援しております♪ (2018年7月17日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
瑛奈(プロフ) - 初めまして!いつも楽しく読ませていただいます!ついに夢主ちゃん、安室さんが好きだって自覚しちゃいましたね(笑)今後の展開で降谷さんとしてはどう動くのか楽しみです(笑)更新大変かもしれませんが頑張ってください! (2018年7月1日 15時) (レス) id: 7374128719 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!夢主さんどんどん大変になってきますね…実質は相手2人なのに(笑) 目が離せません! (2018年6月18日 9時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
mao(プロフ) - 更新ご苦労様です!主人公うらやましい!(笑)安室さんファイトって応援したくなりますね! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 5697599ead (このIDを非表示/違反報告)
来夢*゚(プロフ) - salomeさん» もう、いろんな人たちがてんやわんやしてますね…!工程通り進めましたが中々書く方はハードです…笑 これからどうなるかどうぞお楽しみに! (2018年6月17日 19時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来夢*゚ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/playlistra/
作成日時:2018年6月13日 20時