第九十六話 ページ11
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「……きゃー!Aさんも罪な女ね!!こんな色男引っ掛けておきながらまだ誰とも付き合ってないなんて…!」
「園子ちゃん言い方、言い方。」
興奮する園子ちゃんを宥めながら優しく触れられた手をそっと離す。
すると分かりやすい程安室さんの表情が沈んで見えていたたまれない気持ちになった。
ごめんなさい安室さん。
「Aさんと安室さん私はお似合いだと思いますけど…!」
「そうよね、蘭!この二人めっちゃお似合いよ!」
「あのね、二人とも……私は今まで誰かと付き合ってた経験なんてなくて……」
「「え!?」」
「……え?」
「ちょっと待って……Aさん今なんて…?」
「だから、誰とも付き合ったことないんだって。」
「「えー!?」」
未だかつて無い声量で目の前の女子高生二人は叫ぶ。慌てて止めようにも遅かったらしく周りの目が一斉にこちらを向いた。
…申し訳ないです。
「……付き合ったことないの…?」
「無いよ?勉強ばかりだったし。それに恋愛とか良くわかんなくて。」
「……今どきそんな人ドラマだけかと思ってた…。」
「何それ失礼だね、園子ちゃん。」
「……で、でも!Aさん誰とでもお似合いだと思いますよ!付き合おうと思えば誰とでも付き合えそう!」
精一杯のフォローに回った蘭ちゃんにご満悦な笑顔を披露しながらも小さく息を吐く。
そう、これまで付き合おうとして付き合えなかったのは恋愛そのものが理解出来ていないからだ。
この難問にはかのシャーロック・ホームズでさえ未来永劫に解けない事件であろう。
「好きっていうのがわからないの?」
「それはなんとなく。」
「じゃあいい人が見つからないとか…?」
「違うに決まってるじゃない蘭!Aさんには男が三人もいるのよ?」
「園子ちゃん、誤解が生まれるような言い方はやめてね。」
どうして園子ちゃんはいつも違うワールドに話を持っていこうとするかな…?
園子ちゃんが口を開くたび冷や冷やしつつも訂正を入れる。
「あ!ねぇねぇ、それなら安室さんで知るって言うのはどうかな?」
そんな間延びした声がポアロ内を駆け巡り一時皆がぽかんとコナンくんの言葉に口を開ける。
向こうでグラスを片付けていた安室さんも自分の名前が出てくるとは思ってもみなかったのか目をぱちくりとさせながらこちらを見ていた。
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花帆 - こんばんは、安室さんとの両想い…!!甘くてトキメキます(*´ω`*)これからの展開も楽しみに応援しております♪ (2018年7月17日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
瑛奈(プロフ) - 初めまして!いつも楽しく読ませていただいます!ついに夢主ちゃん、安室さんが好きだって自覚しちゃいましたね(笑)今後の展開で降谷さんとしてはどう動くのか楽しみです(笑)更新大変かもしれませんが頑張ってください! (2018年7月1日 15時) (レス) id: 7374128719 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!夢主さんどんどん大変になってきますね…実質は相手2人なのに(笑) 目が離せません! (2018年6月18日 9時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
mao(プロフ) - 更新ご苦労様です!主人公うらやましい!(笑)安室さんファイトって応援したくなりますね! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 5697599ead (このIDを非表示/違反報告)
来夢*゚(プロフ) - salomeさん» もう、いろんな人たちがてんやわんやしてますね…!工程通り進めましたが中々書く方はハードです…笑 これからどうなるかどうぞお楽しみに! (2018年6月17日 19時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来夢*゚ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/playlistra/
作成日時:2018年6月13日 20時