心ごと ページ31
hk side
yb「…光」
hk「ふぁ?!」
突然の薮の声に驚いて、変な声が出る。
恥ずかしくて、なんだか顔が熱い。
yb「一人で泣くのはダメだよ、光…」
hk「…え? どう、いう…」
意味?って、口にすると
俺を抱き締める薮の力が少し強まる。
yb「嫌なこと、俺と半分こにしよう
一人で背負わないように、半分ずつ」
ね? って俺に問いかけるように言った彼。
あのね、薮。
俺、嫌なことがあって泣いてんじゃないんだよ?
昨日の俺の馬鹿みたいなワガママとか
暖かすぎる薮の優しさとか
…俺に応えてくれた薮の言葉とか
昨日のことを思い出すだけで、わけも分からず
勝手に溢れてくるんだよ。
yb「光…俺、光が好きだ
やっぱり、この関係……嫌だ」
hk「…や、ぶ……」
薮の言葉に、心のどこかが痛む。
それは、悲しいとかそういうんじゃなくて_
yb「光の、側にいたい…俺の心ごと」
いつも一緒にいて…
この関係を変えたって、きっと表面上はなにも変わらない。
でも、仮で付き合ってた俺ら
仮じゃなくなったら、少しはなにか変わるかもしれない。
いつまでも不安に駆られることもない_と思う。
薮の息遣いが、俺の耳を掠めて
薮の心音が微かに背中越しに伝わるような気がした。
俺も言わなきゃな、って
そう決めた瞬間だった。
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作者名:希望(ひかり) | 作成日時:2021年12月28日 17時