絶望 ページ18
hk side
「はぁぁ、気持ちよかった。君ほんと可愛いね」妖笑
こっちは、最悪なんだよ。と心の中では
悪態を付くけど…
実際にはできないくらいにメンタルはズタボロ。
薮となら、嬉しくて幸せだったのに…
あの日だって、ほんとはそうだった。
でも今は、最悪の気分でほんと…最悪
「まぁ、俺はもう満足だし?
一人に執着してる暇もないからいくね〜笑」
怒りが込み上げてくるのに、表せないこの劣等感。
好き勝手にされた身体に、惨めさが募る。
空き部屋から出ていった知らない男。
閉まったドアに、俺は泣いた。
もう、薮にまともに会えない……
合わせる顔が、一切ない…
ねぇ、薮はほんとはだれが好きなの?
俺?それとも伊野ちゃん?
それさえ、わかってたら……
自分に自信があったら……
そもそも、こんな関係じゃなかったら……
俺、きっとこんな
起こせない身体、もうそんな気力もない。
止まってしまいそうな思考、もうなにも考えたくない。
.
そんなとき、
___ガラガラガラッ
「……ッッ!! __光っ!!」
音も聞きたくなくなって、耳を塞ぎたくなった瀬戸際
ほんとは大好きな人の声が透き通って聞こえた。
yb「光っ、大丈夫か?!」
hk「や……、ぶ?」
目を覆うように顔に乗せた手をそっとどける。
あぁ、ダメだ……
声が掠れちゃってるし、涙で顔が見えない。
yb「すぐ来れなくて…ごめんな?」
朦朧とした意識のなかで、
そんな薮の泣きそうな声が聞こえて…
手を伸ばそうとして、俺は意識を手離した。
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作者名:希望(ひかり) | 作成日時:2021年12月28日 17時