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雨にぬれて ページ23
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折り畳み傘持ってて正解だった。
ありがとう天気予報。
傘をさして家までの道を歩く最中も雨はしっかり降っていて、昼よりもさらに強くなってきていた。
バラバラと傘にあたる雨の音が少しうるさいけど、外の世界を遮ってくれてるような気がして落ち着く。
雨にぬれてしまわないように抱え込んだ鞄の中には櫻井さんから受け取ったカプセルが入っている。
この雨にぬらしたら溶けるだろうか…なんて、一瞬だけバカなことを考えて小さくかぶりを振った。
自宅のあるアパートの入り口でその人を見つけて、私は持っていた傘を取り落としそうになりながら駆け寄った。
「二宮さん！何してるんですかこんなとこで、傘もささずに！」
「おー、おまえを待ってた」
「待ってたって…とりあえず、中入ってください！」
全身びしょぬれの二宮さんを自分の部屋に引っ張り込む。
つかんだ手首は冷え切っていた。
荷物を投げ置いてタオルをもって玄関に戻る。
前髪がすっかり額に張り付いている二宮さんの頭にそれをかぶせた。
「ふいて！とにかくふいて！」
「うわ…おまえもうちょい優しくやれよ」
「いーから、ふく！風邪ひきますよ！」
子犬なんかにするみたいに、わしゃわしゃっと髪を拭くと二宮さんがその目を細める。
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2019年7月19日 17時
