ふと、目が覚めた ページ47
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次の日の朝。
目が覚めた時にはすでに二宮さんは起きていて、リビングではパンの焼ける香ばしい匂いが広がっていた。
「おはよう。パンでいい？」
「うん」
「ココア？紅茶？コーヒー？」
「コーヒー」
「了解」
寝ぼけ眼のまま返事をしたらテキパキと朝食のトーストにサラダ、コーヒーとミルクが目の前に並ぶ。
「ほら、早く食って目覚ませ」
「はーい」
あくびを噛み殺しながらコーヒーにミルクを注いで、やけどしないようにそっと表面だけを啜ってそれからごくりと飲み干す。
朝ご飯を食べ終えた私は今日こそと意気込んで二宮さんに向かい合った。
「二宮さん、会社…」
「だめ」
全部言い切る前に二宮さんの言葉がかぶった。
ふと、目が覚めた。
最初に聞こえたのは雨の音。
今日も街には雨が降っている。
部屋はもう夕暮れになっていて、玄関の方からガチャンと音がしたのが聞こえた。
「……二宮さん？」
「お、起きたか？悪いけど今日も買ってきた弁当な」
二宮さんは手に持った紙袋を掲げる。
窓の外ではまだ雨が降っていた。
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次の日、私は目覚ましが鳴る前に目が覚めて体を起こした。
昼間あれだけ寝ても夜寝られるっていうのはどうなんだろう。
隣にはすでに二宮さんの姿がなくて、急いでリビングに行くと電気ケトルがお湯を沸かしているみたいで音がしている。
二宮さんの姿を探してきょろきょろすると冷蔵庫の扉の影から二宮さんが出てきた。
「おはよ。飲み物何にする？」
「……とりあえず水飲みます」
「そう？」
コップに注いだ水を飲み干している間にも食卓には朝食が並んでいく。
白いご飯に香の物、焼き鮭に…珍しく和食だ。
「はい、召し上がれ」
最後に二宮さんがお味噌汁の入ったお椀を二人分持ってくる。
二人そろって席について、いただきますと手を合わせた。
ふと、目が覚めた時、世界はやっぱり暮れていて外では雨が降り続いていた。
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2019年7月19日 17時
