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第8話 「未知の君」 ページ9

プル

プルルル

プルルルルル

プルルルルルルルルルルルル

プルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル


自分の家だというのに、スーツから着替えようともせず、隅で座り込む独歩。その手は手首を掴みながら小刻みに震えていた。


独「……もう……無理だ」


★★★


二「____で、今回は何があったんだ?」

「途中まで見送る」と頑なだった二郎。2人で帰り道を歩いていて、ふいに口を開いた。

二「まあ、また面倒事抱えて一人で悩んでるって所なんだろうけどな」

Aは目を大きく開き、それから顔を俯かせた。

僕「二郎のそういうとこ、本当嫌い」

二「おー、褒め言葉として受け取っとくぜ。それで?」

事実を言うか迷った。でも、それと同時にAは二郎に弱かった。

僕「……実は、不良に金取られて、それをある男の人に助けてもらったんだけど、次は助けてくれた男の人に強制的に連絡交換させられて『借りはたっぷり返せよクソガキ』と念を押され、まし、た……?」

二「思いっきり脅されてんじゃねぇかあああ!!!」

二郎はAの肩を容赦なく揺さぶった。

二「アンタって奴は〜〜っ!取り敢えず、連絡先は消したんだよな!?」

僕「まだ、」

二「は〜ぁっっ?!なんでだよ!」

僕「消したら消すって、言われた、か」

その瞬間、二郎の纏う空気が変わった。


二「そんなゴミ野郎、俺が消してやる」


黄色の瞳が、光を放つ。

二「A、携帯貸せ。俺が行く」

僕「二郎、落ち着い__」

バシッ

掴んだ両手は呆気なく振り落とされた。

二「落ち着いてなんか居られるかよ!お前はこのままその男に好き勝手使われて良いのか?俺は耐えられねぇ!」

僕「二郎」

こんな話がしたい訳じゃない。

僕「そうだけど!相手は大人だ、力の差だったある!」

二郎。聞いてよ。

二「んなこと関係ねぇッ!!!直ぐにでも俺が__」



僕「二郎が傷つくのは僕が嫌なんだっっ!!!!」



二郎は驚き、息を呑んだ。何故なら、Aがこのように怒りを向けることなど滅多に無いからだ。

二「じゃあ、どうしろっつーんだよ……」

二人の間には満月が浮かんでいた。

僕「…なら、どうするかな?」

二「お前何、言って」

だから

僕「この状況、お前のお兄さん"山田一郎"なら……どうする?」


☆☆☆


Aの瞳はこんなにも妖しい色を浴びていただろうか。二郎は思った。


例えるなら、そう



満月だ。

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もちごめ(プロフ) - ハァッッッッッ!!めっちゃ好きです速く推しの麻天狼が出て欲しい...((願望 ←因みに推しは夢野幻太郎と独歩...((ボソッ 更新頑張ってください!! (2019年1月26日 14時) (レス) id: a221333f8f (このIDを非表示/違反報告)
サイカ(プロフ) - 初コメです!楽しんで読ませていただきました!とても面白かったです。これからも更新頑張ってください! (2019年1月24日 2時) (レス) id: f0e2e83b11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水葵 | 作成日時:2019年1月23日 19時

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