眼帯少女は色んな意味で狙われています。７

Chap.271 ページ5

安「すごく美味しいです…！」

『本当ですか！？
ありがとうございます！』

安「はい！僕、デミグラスソースの
オムライスは初めて食べました。」

『初めて…？初めてが
私の料理ですみません…。』

安「いやいや、嬉しいですよ！」

ニコニコと笑って食べる姿が
無邪気な子供みたいで癒されるなあ。

さすが、ベビーフェイス…。
笑顔が眩しすぎる。

『あ、スープも美味しいです！
これ前に作ってくれましたよね！』

照れ隠しに言った言葉が地雷を
踏み抜いてしまったことに
気付いたが、もう手遅れだった。

安「…僕の作った料理を
覚えていてくれてるんですね。」

さっきと違って、伏せ目がちに笑う。

あんなことがあって、もう忘れようと
していたのに自分から掘り返してしまった。

『え、と。美味しかったので、すごく。
ポアロで出したら、大人気ですよ！』

フォローが必死すぎるのも失礼だと思い
それだけ言って口を閉じる。

すると、安室さんも
「そうですね」とだけ言って
何も話さなくなった。

ますます、分からない。

どうして、ここに来たのか。
どうして今更、私に構うのか。
どうして、そんな哀しそうな顔をするのか。

私には、分からなかった。

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