眼帯少女は色んな意味で狙われています。６【安室透/赤井秀一】

Chap.250 ページ22

安「どうして僕の方を
見てくれないんですか？」

内心、僕の顔を見たくないなんて
当たり前だとは思っていた。

彼女は、あの日に僕のことを
赤の他人だと言ったのだから。

安「Aさん。」

けれど、顔が見たい。

この機会を逃したら
もう会えない気がする。

彼女の居場所だけでも知りたい。
居場所を知れば、いつでも会いに行ける。

誰かの家にいても、沖矢の家にいたとしても
奪い返せる。取り戻せる。

『久しぶり、ですね。』

ゆっくりと彼女が振り返る。

1週間ぶりの声と、顔。

どこか気まずそうな、どこか恐怖心を
感じられる表情に少し傷ついた。

しかし、それも仕方がないことだ。

交わらない視線の原因も
全て、自分のせい。

彼女が持っているカゴを見ると
二人分の食材が入っている。

これで、誰かの家にいるのだと確信した。

彼女は、Aは、僕のものだ。

奥底から溢れ出す独占欲を抑えながら
微笑んだ。

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