眼帯少女は色んな意味で狙われています。６【安室透/赤井秀一】

Chap.245 ページ17

『…え、ああ…え、と。』

沖矢さんと一緒に暮らしている
ことは言わない方がいい。

2人の仲が悪いからというのも
あるけど。

あの時、安室さんが言った「沖矢さんの
家に行けばいいと思っている。」と。

その通りなっていることを知られるのは嫌だ。

『いつもお世話になっている方に
作って持って行こうかと…。』

安「沖矢さんですか？」

食い気味に安室さんは言った。

安室さんの口から沖矢さんの名前が
出てきたことに驚いて口を閉じる。

安「分かりやすい人ですね…まあいいです。
とりあえず、今どこにいるんですか？」

『え…？』

安「どこに住んでいるんですか？」

どうして、そんなことを聞くんだろう。
私が何をしていようと関係ないのに。

『安室さんに関係、ないですよね？』

安「ありますよ。以前、Aさんは
僕の家にしました。出て行った後、どこに
いるのか心配するのは普通でしょう。」

私が、好きで出て行ったみたいに…。
心配？監視していたくせに…。

喉の奥がツンとする。こうやって
一方的に安室さんに言われるのは
あの日のことを思い出す。

安「Aさん？」

安室さんの手が伸びてくる。
今は、この手すらも怖い。

動けない、震えが止まらない。

私に向けられた安室さんの笑顔も
思い出せない。

『や…め…。』

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