眼帯少女は色んな意味で狙われています。３【安室透/赤井秀一】

Chap.121 ページ30

『え、うん。
どうして、それを？』


コ「昨日お昼に毛利
探偵事務所から出た時に一回。
19時くらいに戻ってきた時に一回。

Aお姉さんを見かけたよ。
しかも、ほぼ同じ場所で。
てことは、同じ道を
グルグルと歩いてたってことだよね？」


方向音痴で、同じ道を歩いてるって
ことに全く気づかなかった…。

だから、自分の家に向かう見覚えのある
道が見つからなかったのか。

コ「それに何かを探してるみたいだったけど
本当に就職について悩んでたの？」

これは、完全に怪しまれてるな…。

どうしよう、ここで事実を混ぜた嘘を
言えば、少し怪しさを緩和できるかも。

『就職について悩んでたのは、本当。
でも、私があんな時間まで歩いていた本当の
理由は家の場所が分からなかったから。』

安沖コ「…えっ？」

三人がキョトンとした顔で
声を揃えながら言った。

まあ、そうなりますよね。

『両親が死んでしまって。祖父母も数年前に
他界してしまっているので、親戚の家に
引き取られたんです。』

嘘とはいえ、重すぎる話だ…！
でも、仕方がない。

これくらいしないと
信じてもらえないし、重すぎる話なら
あまり踏み込んでこないはず。

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