眼帯少女は色んな意味で狙われています。３【安室透/赤井秀一】

Chap.98 ページ5

安室 透 side

公安の仕事を終えて
建物から出ると
外は暗く、雨が降っていた。

愛車で、そう遠くはない家に帰る。

Aさんは
結局出かけたのだろうか。

いや、その前に服を
気に入ってくれただろうか。

一応、手紙と一緒に家の鍵と住所を
書いた紙を置いておいたけれど

Aさんが自分の家に帰っていたら
必要ないよな。

それにしても、コナンくんの言っていた
「昼からずっと歩き続けている」というのは
違和感がある。

親に暴力を受けて家に帰りたくないのか。

それとも、同居している誰かに
暴力を振るわれているのか。

まさか家の場所を忘れた…？

いや、それは
さすがにありえないか。

結局、考えはまとまらず家に着いた。

エレベーターで最上階に上がり
家に入る。

『只今、帰りました。』

誰かがいる家に帰るのは慣れなくて

なんと言えばいいか分からず
変な口調になってしまった。

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