眼帯少女は色んな意味で狙われています。 【安室透/赤井秀一】

Chap.46 ページ47

私は、ドライヤーの音で
聞こえなかった
ふりをして黙っていた。

「終わりましたよ。」

カチッと音と同時に
ドライヤーの風が止む。

あっという間に髪の毛は
乾いていて
ちゃんとブローもしてある。

『ありがとうございます！』

「どういたしまして。」

ブローもしてくれるなんて
女の扱いになれているというか

誰かの髪を乾かしたことが
あるように思える。

まあ、こんなにかっこいいんだから
そりゃ慣れてるか。

「では、僕もお風呂に入って
くるので、ホットココアを飲んで
待っていてください。」

ドライヤーのコードを束ねている
安室さんの言葉にギョッとした。

『いや、さすがに帰りますよ！』

「どこにですか？」

『………〜〜っ！』

言葉にならない悔しさが
湧き出てくる。

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