戦争３０ ページ39
あの事件からもう３日がたった。
Aは命に別状はなかったがまだ目を覚ましていなかった。
あの時、図書館に残って利用者の救助活動をしていたAは、火災の後の本棚の崩壊に巻き込まれ重傷をおった。
火災の理由は良化特務機関による起爆装置の設置だ。利用者がいなくなった時間帯にあわせていたが誤差動して爆発してしまったという。
この事に政府も困り果て、良化特務機関の処遇は今も検討中らしい。
今回の事件で利用者７名、図書隊員５名、合計１２名の人間が命を落とした。結果にしてあの日野の悪夢よりも大勢の犠牲者が出たのだ。
『日野の悪夢』
あの悪夢ほど悲惨で残酷な事件は無いだろう。
それでも堂上や郁は思った。
『日野の悪夢のようだ』と。
見たことも無いし、体験したこともないけど、あぁ、こんな感じだったんだろうなぁ。そう思えた。
幸いなことに被害があったのは図書館２Ｆだけで、他の場所はそんな様子はないという。
図書館が閉鎖された今、隊員達は寮での生活と訓練を繰り返すだけだった。
何ヵ月かはその調子のままだろう。
郁の部屋はAがいないので独りだ。
少し空いた空間に、物足りなさを感じる。
Aが使っていたデスク上のノートパソコンの隣に、楽しげに笑う郁とAがいた。
あぁ、私はAがいたからこそ笑えてたんだなぁって今更痛感した。
医者からは、いつ目を覚ますかわからないと聞いている。付きっきりでいたいが今は図書館の復旧に忙しく、目を覚ましたら連絡をくれと頼んでおいたそうだ。
それと、もう一年近く一緒にいたのにこの事件でわかったことがある。
Aに家族がいないこと。
初めて聞いた話だった。
『ご家族に連絡を取りたいんですが連絡先をご存知の方はいらっしゃいますか？』
医師に聞かれた。
そう言えば家族のこととか何も聞いてないな。
『家族...いません。』
『『『『『え！？』』』』』
医師以外の...郁、麻子、手塚、小牧、玄田が一斉に聞き返す。初めての事だし、何よりも何故堂上が知っていたのか皆不思議に思ったようだ。
『そうですか...。では、親族の方等には目を覚ましてから本人にお聞きしましょう。では、責任者の方は？』
責任者.....。
『あ、アタシです。』
麻子が前に進む。今この状況で冷静さにかけた堂上が責任者になっても意味が無いし、玄田に頼るのも...。頼れるのは同性でしっかりした麻子だろう。
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いずみん(プロフ) - カモミールティーさん» ありがとうございます^^頑張ります！！ (2015年3月3日 21時) (
レス) id: 330b963b03 (このIDを非表示/違反報告)
カモミールティー(プロフ) - おぉ〜かっこいい堂上教官やばいッ！頑張ってください＾＾ (2015年2月28日 18時) (レス) id: 10f04cca59 (このIDを非表示/違反報告)
いずみん(プロフ) - 泉月さん» わゎ！！ありがとうございます。めっちゃ嬉しいです！！ (2015年2月22日 15時) (レス) id: 330b963b03 (このIDを非表示/違反報告)
泉月 - めっちゃ面白いです (2015年2月22日 15時) (レス) id: 7ba82b4767 (このIDを非表示/違反報告)
いずみん(プロフ) - 堂上ＩＯＶＥさん» 本当に堂上教官カッコいい！！名前にしちゃうほど大好きなんですね^^コメントありがとうございます！ (2015年2月11日 19時) (レス) id: fe04c1f201 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ａｉ | 作成日時：2015年1月15日 21時
