戦争２ ページ2
『いつか、私もあのときの王子様みたいな図書隊員になる。』
いつ頃からだったろうか。
幼馴染みの笠原郁が、王子様とかほざき出したのは。
本を買うからと着いてった店に、突然あの人ｰｰｰｰｰｰ郁の王子様が現れたのがきっかけだったはず。
郁がいた場所から少し離れた音楽雑誌のコーナーで、立ち読みをしていたときだった。
「店長さん警察呼んで！盗った本と一緒に警察に...」
郁の叫び声が聴こえた。
おおかた誰かともめているのだろう。
今までヘッドフォンをしていたので全く気付かなかったが、良化特務機関が入ってきたようだ。
「郁ッ！」
私の声に、郁が慌てて振り返る。
(私じゃない。私は盗ってない。)
目で訴える郁。
わかってる。本を守りたいだけだと。
良化特務機関にするのは問題になると思ったが、大切な親友が困ってる。
躊躇わず強烈なカカト落としをした。
ガンッ
本屋になり響いた炸裂音。
私の足元に倒れこむ良化隊員。
「すいません。」
そう言って落ちた本を拾う。
「何をするキサマ！！」
「あまりにも煩かったので...静かにしてもらいたくて。」
笑顔で答えたから戸惑ったのか、隊員たちが一瞬怯む。情けない隊員だ。たかが女子高生に驚くなんて。
コレで黙るだろう。そう思ったのが仇だった。
「離しなさいッ！！」
ものすごい剣幕で郁に渡した本を奪い取り、押し倒す隊員。
不意をつかれた上、郁が倒れてきたのだ。
受け身をとる暇もなく私と郁の体が地面に近付いていく。
ガシッ
予想してた痛さは感じられず、代わりに背中に暖かさを感じた。
いきりたつ隊員の前に立ちはだかり
「こちらは関東図書隊だ！」
高らかにそう宣言した青年。
..........心臓が止まるかと思った。
背広い背中。迷いのない鋭い眼差し。
「カッコいい.....。」
それからというものの、私と郁の話題はあの時の図書隊員に傾いた。
思い出して興奮して語って。
郁が王子様とか言い出したときは何を大袈裟な、なんて思っていたが、そういいたい気持ちもわかる。
恋愛に興味が無かった女子高生にしたら、王子様に見えても仕方ない。
それぐらいカッコいいと思ったのだ。
『必ず、二人で図書隊員になろうね。』
顔や声はもう覚えてはいなかったけれど、私たちにとったらいつまでもあの青年は憧れだった。
私たちが図書隊員を目指そうと思った、唯一の理由だった。
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いずみん(プロフ) - カモミールティーさん» ありがとうございます^^頑張ります！！ (2015年3月3日 21時) (
レス) id: 330b963b03 (このIDを非表示/違反報告)
カモミールティー(プロフ) - おぉ〜かっこいい堂上教官やばいッ！頑張ってください＾＾ (2015年2月28日 18時) (レス) id: 10f04cca59 (このIDを非表示/違反報告)
いずみん(プロフ) - 泉月さん» わゎ！！ありがとうございます。めっちゃ嬉しいです！！ (2015年2月22日 15時) (レス) id: 330b963b03 (このIDを非表示/違反報告)
泉月 - めっちゃ面白いです (2015年2月22日 15時) (レス) id: 7ba82b4767 (このIDを非表示/違反報告)
いずみん(プロフ) - 堂上ＩＯＶＥさん» 本当に堂上教官カッコいい！！名前にしちゃうほど大好きなんですね^^コメントありがとうございます！ (2015年2月11日 19時) (レス) id: fe04c1f201 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ａｉ | 作成日時：2015年1月15日 21時
