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you side
「ありがとうございました」
タクシーを降りていつも通り自分の家に足を運んだ。いつも通りと言っても1つを除いては。
「ここがAのいえなん〜?」
呂律が回ってなくてふわふわとした喋り方のセンラ先輩。まだ爆睡までいってなくてよかった。
最近忙しそうだしきっと今日居酒屋に行ってしまったら大変なことになることは十分承知の上だった。
「そうですよ、……あ、足元気をつけてくださいね」
言われんくても分かるわ、と言いながらも少し足元がふらついている。
何故このようなことになったかというと、ご想像通りだと思います。
少し飲みすぎたセンラ先輩は歩けるものの、一人で帰らせるには少し危ないと思った。心配しすぎなのかもしれないけど。でも道の真ん中で服脱ぎ出したら大変でしょう?
しかし、私はセンラ先輩の家など知らない。明日仕事休みだしということで連れて帰っているのだ。
部屋に着くと一番にセンラ先輩をソファーに座らせて水を飲ませた。
「Aが口移しで飲ませてくれたらぁえ〜やん〜」
「何をおっしゃってるんですか。ちゃんと飲んでください」
口移しって。
舌ったらずな感じで呂律が回ってないのは少しかわいらしいと思った。いつもの会社でのセンラ先輩とは違う感じ。
ソファーの上でうとうとと寝そうなセンラ先輩。お風呂に入ってきます、と伝えて反応が帰ってきたのを確認してから脱衣所へ向かった。
初めて家にあげた人を一人にするのは危ないけれどセンラ先輩なら大丈夫。
◆
部屋に戻ると寝ていたはずのセンラ先輩の体が起き上がっているのがソファー越しに確認できた。
「なんか酔いさめたかもしれ……」
…?
言いながら突然固まった。
酔いがさめたとはいえ、センラ先輩の顔はすごく赤い。
「待って、あかん」
「…え、大丈夫ですか?」
センラ先輩の目線にあうようにしゃがみこんで顔を覗くと顔を逸らされた。
「…しんどいですか…?」
ちゃうねん、と目を逸らしながら言われた。目をあわせてくれない。
「………お前さぁ、」
「襲われたいん?その格好」
「………はっ!?」
私の体を上から下までじろじろ見られて恥ずかしい。
「なんか……めっちゃかわいい」
口元を押さえて言うセンラ先輩は少し意外だった。どんなときも大人だから。
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ちか_chika(プロフ) - 私、お、おう強気だね?ってなったw (2021年4月25日 17時) (レス) id: a3ed2858fd (このIDを非表示/違反報告)
乃々夏(プロフ) - メンヘラ配信のやつですか?wwww笑っちゃいましたねwwwwごめんなさい!!! (2021年3月6日 13時) (レス) id: e426f8e368 (このIDを非表示/違反報告)
李猫(プロフ) - 好きです!更新頑張ってください。応援してます!! (2021年2月28日 21時) (レス) id: 893699292a (このIDを非表示/違反報告)
ゆなこ - 乃々夏さん» ご指摘ありがとうございます!笑笑 (2021年2月23日 13時) (レス) id: 388f2106fd (このIDを非表示/違反報告)
乃々夏(プロフ) - 「0」が一個足りてないですよwwww100,000hit です!!! (2021年2月23日 10時) (レス) id: e426f8e368 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆなこ | 作成日時:2020年6月25日 20時