あますぎちゅうい【utit】【短編集】

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「よー！」
「やっほ〜」

入って入って、と無邪気な子供みたいに言うから純粋にかわいいと思った。同い年ですけど。

「おじゃましまーす」

「汚くてごめんね〜」


頑張って急いで掃除した感が出てる。それだったらゆっくり来てって言えばよかったのに。


「ま〜たそらるさんゲームしてるんだ」

「そうなんだよねー」

「こーんなかわいい彼女をほっておくなんてねぇ〜？」

「ほんと。ねぇ〜？」


こんな冗談も言い合えるような関係まで仲良くなれた。
坂田といると最初から最後までずーっと笑える。彼のいいところ。


「ス○ラのフェスしてんだっけ？」

「そうそう」

「あれさぁ〜、何日か期間あるやんか。ずーっと放置？」

「んー……ずーっとってわけじゃないけどだいたいは。まあ、仕事もあるし」

ご飯の時だけ戻ってくる思春期の子供みたいな。そんなことを坂田に言ったらすごいうけた。

「もーフェスの時だけ俺んち泊まってく〜？なんて」

「ね〜。ほんと今日とか泊まりたいもん。家いたら寂しい」

坂田が出してくれたお茶を一口飲んだ。

「そうだよな、寂しいよな…」

ちゃんと話を聞いてくれるのがすごく嬉しい。遊ぼうって言う日もあるけれど。定期的に話聞いてくれる。


「もう、今日はずっと俺んちいなよ」

「……ん、ありがと。ギリギリまでいていいかな…」

「いいよ。ずっと一緒にいてあげる」

ほんの少しドキッとした。嬉しかった。


優しい彼に少しだけ、甘えよう。

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