甘い匂い

□ ページ22

｢としくん、起きないとちゅーしないよ？｣


ドラマやアニメでしか聞いた事ないセリフを言ってみる


｢やだぁ、ちゅ、しよ｣


なんと色気のあるお兄さんだこと


｢ちゅーしたら起きる？｣


と聞くと、早くちゅしてと言われたから軽く触れるだけのキスをする


キスをすると目をぱっと開けて、背伸びをする


｢おはよ｣


先程とは違った爽やかな顔で私を見る


｢おはよ、ご飯できてるよ｣


｢やった！早く顔洗ってこよ〜｣


一緒に寝室を出て、私はキッチンに、としくんは顔を洗いにいく

朝ごはんを机の上に並べてとしくんが来るのを待つ


｢今日の〜朝ごはんは〜なぁんだぁろなぁ｣


今日は機嫌が言いらしい

歌いながらリビングに来る


｢ふふ、今日ご機嫌さんだね｣


｢Aが起こしてくれたから当たり前だげぇ｣


そんなこと言われると照れる

赤くなる頬を抑える


｢照れてるがや？｣


としくんは私を覗き込む


｢うるさい｣


照れ隠しにとしくんに怒る

としくんは私のこの態度が照れ隠しだと分かってるから、かわいいなぁなんて言って頭を撫でてくる

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