Leading role ＝ ０８ ％ ページ9
【 ▽ Side . 田中 】
「うー‥ッめえぇえ！！」
カラダいっぱいに降り注ぐ
太陽の光に向けて大きく伸びをする
硬くなったカラダへ褒美だとでも言うように
深く深呼吸をして体内から入れ替わる酸素。
体育の無いジーっと座るだけの授業に
耐えきれなくなった六時限目。
学生に親切なサボりに絶好なスポット
屋上へと足を運ばせていた
＊
「……んｧ？」
-----ﾎﾟﾂ , ﾎﾟﾂｯ
頬に当たる小さな感触。
頭上を見渡すと
相変わらず太陽はそこにあるが
先ほどよりも広がる灰色
( …通り雨か？ )
いつの間にか寝ていたらしく
時計を見ると、意識があった
最後に見た時間より三十分が経過していて。
次第に強くなってゆく雨の中
寄りかかっていた壁から立ち上がり
校舎に戻ろうと身を動かしたーー瞬間、
ﾊﾟｻｯ
何かが膝の上に落ちた
「……‥ブレザー？」
衣替え時期の十月。
あまり寒い印象のない月間でも
今日は少し肌寒く
ブレザー無しはキツイだろう
それが女子ならば絶対に。
早く返さなければと思うも
この持ち主に心当たりなんて全くもってない
とりあえず手の中にあるブレザーが
濡れないようして
急いで 校舎に入った
＊
案外、世の中は
上手く回っているのかもしれない
「ーーおい！アンタ！」
授業が終わり
放課後、部活動の時間。
ブレザーを持ち主に返す為
同じ部活である同級生に
遅れて行くと伝えて
校舎を手当たり次第
探し回っていると、
カーディガン姿の女子生徒が目に入った
「これっ！アンタのか！？」
俺の声に反応して長い髪が揺れる
そして、ゆっくりと
振り返る目の前の人物。
「ッ！！」
ーー‥潔子さん以上に綺麗で、凛としている人なんて、俺の中ではいなかった。
けれど、一瞬だけ
露わになったその姿に俺は＿＿＿＿＿。
「…‥寒そうだったので。…わざわざ届けてくださり、ありがとうございます」
この鼓動の速さは何なのだろう
Leading role ＝ ９２３の日→←Leading role ＝ ０７ ％
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1513人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤 - 凄い心に響くというか落ち着くというかなんか凄いです！続きが気になるので更新していただけないでしょうか？ (2022年1月6日 0時) (
レス) @page20 id: 51c9a307dd (このIDを非表示/違反報告)
優琴(ﾕｷ)(プロフ) - え、え、語彙力やばくないですか？？？なんかすごく最後の言葉がいい感じというか、あれなんだこの神作 (2021年11月30日 8時) (レス) @page20 id: 2ddfb5e61c (このIDを非表示/違反報告)
無気力しか勝たん - ゑ？神じゃん(語彙力どっかに落っことした)(あ、語彙力元々なかったや☆) (2021年9月22日 0時) (レス) @page20 id: 5861121e2b (このIDを非表示/違反報告)
りおん。(プロフ) - 最後、その一言がすとんと入ってきました。 (2021年2月22日 19時) (レス) id: 5ba492e76b (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ - 心に、響きますね。(語彙力どこいった) (2019年8月16日 10時) (レス) id: dd13cd4910 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：腐りかけのカフェオレ | 作成日時：2015年9月7日 14時
