２話 ページ3
Aside
『っ、冷たっ』
水道の水が冷たいのは、ほんとに嫌だな。
そう思いながら、粉をを入れて振っていく。
ドリンクの濃さとかは、松川先輩に紙を貰った。
でもさ、ドリンク作るの結構楽しくない？
ていうかさ、遅れてるって言ってる先輩って、まだ来ないの？
ま、良いけどさ。２人居るのは、面倒だもん。
姫「あ、貴女が新しい子？私、姫崎結って言うの！よろしくね！！」
びっくりしたぁ。
急に話しかけてこないでほしいな。
『高橋Aです。よろしくお願いします』
姫「もうドリンク作ったんだ！じゃあ、私が運ぶね！」
私は、姫崎先輩が籠を持つ前に、持ち上げた。
姫「えっ。ど、どうしたの？私が運ぶよ？？」
この先輩、危ない。
人の作ったやつ、あたかも自分がやりましたとかって言うタイプだ。
私は、周りより運動神経が良いし、反射神経は良い。
もし鈍かったら、簡単に取られていた。
『いえ、私が作ったので私が運びます。
先輩はタオルを運んで下さい。もう準備は終わっているので』
姫「…嫌よ。さっさとそれ、渡しなさい。
アンタは下の立場なんだから、手柄は全部私のものよ」
うわ、面倒な人だね。
『そんなに運びたいなら、権力とか立場とかを使わずに、
実力で私から手柄を奪い取って下さいよ。
立場が上だとか、くだらないですね』
そう言うと、先輩はもっと怒ったような顔になった。
私は面倒だから、遠回りをしてタオルを取りに行った。
籠の上にタオルをのせて、足を動かす。あ、ヤバい。前が見えない…。
タオルも乗せてるから、足元も前も見えない。
『お、重い…』
腕がちぎれそう…。
その時、ドリンクの籠ごと誰かに取られた。
横を見ると、花巻先輩がドリンクとタオルを持っていた。
『え、花巻先輩…』
花「練習してたら、前も見えないし重そうに運んでるAが見えてさ。
今にも転びそうだったから、急いで来たんだよ」
そう言う事だったんだ。
『ありがとうございます。助かりました』
花「おう。それでさ、なんで１人で運んでたわけ？結も来てただろ？」
これは、言っても良いのか。
『はい。でも、ドリンクを作り終わったら、急に来て。
自分が運ぶとか言われたんで、取られる前に持ちました。
アンタの手柄は私のものだなんて言われたんで、挑発してスルーしてきました』
そう言うと、花巻先輩は思いっ切り吹き出した。
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作者名：ぴのの | 作成日時：2022年2月10日 14時
