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ラック短編「良くなって」(リクエスト) ページ39

「ねぇ、A……僕とヤろうよ」
「あっ、ラック。おはよう」


 いつものようにアジトのエントランスにいると、毎日のように同じ言葉を言うラックの方へと振り返る。読みかけていた本を閉じ、笑みを浮かべた。
 だが、今日はどこかいつものラックと違い、朝だというのにほんのりと頰などが赤い。


「あれ、ラック? 顔が赤くない?」
「そんなことないよ、それよりも早くヤろうよ」
「やっぱり変だよ?」


 手を伸ばし、ラックの額に手を当てる。額は熱く、熱があるみたいだ。


「Aの手が冷たくて気持ちいいね」
「いやだって、ラックは熱があるみたいだよ?」


 ほら、部屋で休んで。グイグイとラックの身体を押しながら歩かせるとフラッと身体が傾き、寸前のところで支える。


「Aは力持ちだね……」
「ラック、しっかりして! せめて部屋についてから倒れてよ」
「……うん」


 段々と力が抜けていくラックを支えながら、なんとか完全に倒れる前に彼の部屋まで来れることが出来た。ベッドに寝せて、汗をかいているみたいなので濡れたタオルで拭く。
 ある程度のことを終えると、そういえばラックは朝ごはんを食べていなかったことを思い出し、お粥を作ろうとその場を離れようとした。


「A、どこ行くの?」


 パシッといつもよりも弱々しい力で腕を掴まれる。熱でとろんとした瞳で見つめられ「側にいてよ」と言われれば、頷くこと以外出来なかった。
 ベッドの端に座ってラックの前髪が邪魔にならないようにと顔から払う。ん、と小さく身動きするラックに動きを止めるが規則正しい寝息が聞こえてきて、ホッと息を吐く。


「早く良くなってね」


 そっと頭に乗せていた濡れタオルを新しいのと替えてる。無防備に寝ているラックに笑みを浮かべた。


「……A」
「ラック起きたの? いや、寝言みたいだね」


 未だに眠っているラックの寝言に自身の名前を呼ばれて愛おしい気持ちが溢れる。それと同時に少しばかりの悪戯心も芽生え、顔をラックへと近付けた。


「人に移すと良くなるんだって……私もラックに看病されてみたいなぁ」


 そう囁きながら触れるだけのキスをラックにする。いつもより熱い唇に、少しばかり胸が高鳴った。


「ラック……好きだよ」


 悪戯成功したように微笑んだ。

 そして次の日、見事にラックは完全に風邪は治ったが代わりにAが寝込んで、ラックに逆に看病されるという事態へとなったのは別のお話。


 おわり

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シルバーウルフ - ごめんなさい、ゴーシュはリクエストでお願いします。(>_<) (2018年10月27日 21時) (レス) id: 516ce10d59 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - フィンラルで激甘デートからのキス。ゴーシュとレオとフエゴレオン団長をもう一度見てみたいです。 (2018年10月27日 21時) (レス) id: 516ce10d59 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼します。リクエスト大丈夫でしょうか?ノゼルとソリドのツンデレお願いします! (2018年9月12日 0時) (レス) id: d25f818ca2 (このIDを非表示/違反報告)
すてらら - マグナのが良すぎてヤバイです! (2018年9月4日 21時) (レス) id: bc476472b0 (このIDを非表示/違反報告)
Wira - リクエストでございます!リヒトともう一度フエゴレオンお願いします! (2018年9月4日 10時) (レス) id: 73fe050e5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天戯 | 作成日時:2018年4月8日 20時

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