【短編集】この手を取るのは、【ブラクロ】

レオポルド短編「オレと！」最終話(リクエスト作品) ページ4

「オレはこの1ヶ月で星二つゲットしたぞ！ Aはどうだ？」
「ええー、凄い！ 私は一つだったよ……負けちゃった」


　悔しい！と言うAにレオポルドは笑い、「なら、命令はな」と言葉を紡ぐ。


「オレとキスしろ、A！」
「……えっ」


　レオポルドが言った言葉の意味が一瞬では理解出来ず、思わず聞き返してしまうが時間が経つにつれて、段々と理解していく。それに合わせて頰に集まる熱。


「何度も言わせるものじゃないぞ！ その、オレ達あれだろ……婚約者だけど、その……」


　最初はいつものように強気でいたレオポルドだが、Aを見ている内にレオポルドも段々と恥ずかしくなってきたらしい。歯切れが悪くなり、顔はAと一緒で真っ赤だ。


「ああーもうっ、オレ達は婚約者だけど婚約者らしいことしてないだろ！ だから、その……Aはオレと……」


　その言葉を言い終える前にAはレオポルドの唇にそっと自身の唇を当てた。時間にして数秒、いや一瞬だったが、二人にとったら長い永遠の時のように感じた。


「好きだよ、レオ」
「オレもAのこと好きだ！」


　次は負けないからね！そう顔を真っ赤にさせて言うAに、レオポルドはニカッと笑った。


「今度もオレが勝つ！」



　おわり

マグナ短編「隣に」(リクエスト作品)→←レオポルド短編「オレと！」01(リクエスト作品)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す