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ウィリアム短編「私の天使」最終話 ページ13

世界樹の上は思ったより高く、この辺一帯は見渡せた。小鳥達も一緒に付いて来たのか、ウィリアムの周りを羽ばたいている。
 ウィリアムはやっぱり天使みたいだと、天使が気まぐれで戯れているみたいだとAはそう思った。


「ヴァンジャンスさんは凄い魔導師なんですね! みんなを守る魔法騎士団ですもんね……」


 最初は興奮した様子だったのに言葉を紡ぐ度に段々と小さくなっていく声。どこか恐れている様子にウィリアムは気になって仕方がない。
 Aからは恵外界出身とは思えないほどの魔力を感じる。それと何か理由があるのか。


「なら、君も魔法騎士団に入って守ってみせるといい」
「……っ」
「君には魔法騎士団に入るくらいの魔力を感じるよ」
「でも……私は」


 それもそうだ。Aは産まれながらにして大量の魔力を持って産まれてきている。だがそれを上手く使えず、村の人を傷付けてしまったからだ。それで村を飛び出してきて、ここまで来てしまったということである。


「大丈夫。ほら、怖がるからいけないんだよ。自分の魔を感じて」


 君になら出来るよ。そう優しく溶かすように囁くウィリアムに頷きながら、瞳を閉じる。
 大丈夫だよ、と未だに世界樹から落ちないように抱き締められている為、ウィリアムのぬくもりが感じて安心した。
 このぬくもりに安心して、Aは魔法を発動させる。この魔法は人を傷付けるのではなく、人を癒す魔法であれと。


「ほら、君はちゃんと魔法を使えたよ」


 さっきまでは晴れていたというのに今は静かに雨が振り続けていた。その雨に打たれた怪我をしていた小鳥を癒し、枯れていた草花を元気した。


「君こそ天使のようだね」


 そう優しく笑ったウィリアムと別れるが、再度出会うのはそんなに遠くない未来のことだった。


 魔導書を貰う年齢になり、無事に魔導書を持ち、Aは魔法騎士団入団試験へと向かった。団長達の登場に受験者達は驚き、A自身もまた別の意味で驚いていた。あの時の彼は団長だったことに。
 自身を肯定してくれたウィリアムの元に並びたい。そう決意し、Aは今までとは違う繊細な魔法コントロールで入団試験を突破し、無事に金色の夜明け団に入ることが出来た。


「君は来るだろうと信じていたよ。ようこそ、金色の夜明け団に! 団長をしているウィリアム・ヴァンジャンスだよ」


 さぁ、私の天使……君の名前はなんだい?



 おわり

ユリウス短編「逢瀬」01(リクエスト作品)→←ウィリアム短編「私の天使」01



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シルバーウルフ - ごめんなさい、ゴーシュはリクエストでお願いします。(>_<) (2018年10月27日 21時) (レス) id: 516ce10d59 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - フィンラルで激甘デートからのキス。ゴーシュとレオとフエゴレオン団長をもう一度見てみたいです。 (2018年10月27日 21時) (レス) id: 516ce10d59 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼します。リクエスト大丈夫でしょうか?ノゼルとソリドのツンデレお願いします! (2018年9月12日 0時) (レス) id: d25f818ca2 (このIDを非表示/違反報告)
すてらら - マグナのが良すぎてヤバイです! (2018年9月4日 21時) (レス) id: bc476472b0 (このIDを非表示/違反報告)
Wira - リクエストでございます!リヒトともう一度フエゴレオンお願いします! (2018年9月4日 10時) (レス) id: 73fe050e5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天戯 | 作成日時:2018年4月8日 20時

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