Earth 13 ページ14
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程よくざわついている小さめの喫茶店に
二人で腰をかけて、
アイスコーヒーを注文して、
少し落ち着いたくらいで私から口を開いた
「今日、香歩となんかあったの？」
「...」
章大はなんて話し始めればいいか
分からない様子で
口を開きかけてはまた閉じたりというのを
繰り返していた
「章大、いつから香歩のこと好きだったの？」
「...ん〜気付いたらやなぁ
ってAに気付かれてたんやなぁ」
そう言って章大は話を切り出し始めた
香歩を気づいたら好きになってて、
ずっと想いを隠してきたこと
昨日、香歩と斉藤翔とのデート現場に
鉢合わせしてしまったこと
「...いい感じやと勝手に思ってたんやけどな」
その章大の瞳はほんの少し潤んでた
きっと今日の天気は雨ふりだから
雨に涙を隠してもいいのに
きっと章大は強がりだからそうしない
「章大は優しいから、
もう少し自分勝手でもいいよ」
「...どういう意味？」
この言葉を言う資格は私にはないのに
「伝えなくて後悔するなら伝えようよ」
「でも...香歩は困るやろうなぁ」
一番後悔するかもしれないのは私なのに
「言うなら今しかないよ」
そう助言した私の心の奥底には
嘘つきの花が深く根を張っていて
ギュッ、と自分にしか聞こえない音がなった
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作者名：たりら | 作成日時：2018年5月16日 21時
