【黒○】君に俺はどう映っていますか？【男主】 (ページ12)

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10話ページ12

「何とか間に合った……っ」

思いのほか事情説明に時間がかかり、詳しいことは後日にしてもらった。

急いで駆けつけたが、そのお陰でどうやらギリギリ間に合ったようだ。

高々とそびえ立つ校舎を仰ぎ見て胸を落ち着けるようにひとつ息を吐き、正門を跨ぐ。

道少し歩くと直ぐのところに掲示板を見つけ近寄る。

数十分ほど前までは人でごった返していたであろうクラス振り分け表前も、今は疎らに人がいる程度。

混雑の中自身の名前を見つけるのを想像し、ある意味この時間でよかったと思った。

「えーと、俺のクラスは……1年3組ね」

クラスを確認し、1年生用の下駄箱に向かい蒼空町と印字された下駄箱にローファーをしまい、まだ履き慣れない新品の上履きに履き替え廊下を進む。

各クラスの前を通り過ぎるたびに聞こえる賑やかな声を耳に、聞き流しながら目的地を目指す。

「1-3、よし」

教室に入ろうと足を踏み出しかけ、はたと思う。

同クラブだった者はいないかと。

自身の過去を知っている人、特にバスケを共にやっていた人にはある理由からあまり関わりたくなかった。

暫し教室内を見渡したが顔見知りはおらず安堵の息を吐く。

「流石にいないかな」

クラスに入ると他のクラス同様、それ以上にそれぞれが会話に花を咲かせていた。

黒板に張られた紙で自身の席を確認し、席に向かう。

位置は一番後ろの真ん中。

良くもなければ悪くもない普通といったところか。

他生徒ならばここで席の位置に一喜一憂するところなのだろうがそう言うのはあまり気にしたことがなく、授業が出来ればそれでいいと思っている俺には関係のないことだったりする。

周りには誰もおらず無事に席にたどり着き、すんなりと座ることが出来た。

それも幸か不幸か、周りには既に数人のグループが出来あがっていて所謂ボッチ状態にある。

しかし少し疲れもあり、既に出来ているグループに自ら入る気もせず、その内誰かしらと話す時が来るだろうとポケットから携帯を取り出した時だった。

「―――なぁ」