甘党カレシ（黄） (ページ10)

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(岩本side)

平静を装いながら俺がメニューを決めていると目の前から感じる視線

チラッと目線をあげると、口を半開きにしたまま俺を見るAさん

え、なんでこんなに見られてんの？笑

何を考えているか分からない表情が可愛くてつい声をかけると慌てて目線を逸らす

あー俺なんでこんなにこの子に心奪われてんの？

今日は違うメニューにしようと考えていたけど、そんなの一瞬で吹き飛んで結局いつものミルクティを頼んだ。

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お会計を済ませると流れる沈黙

もどかしくて、特に新しい通知は来ていないけどスマホをいじってみる。

なんか話しかけないとダサい？

いや、あんまりガツガツ話しかける男も嫌だよな

そう頭の中で色んな気持ちが入り交じっていた時、Aさんが俺の名前を呼んだ。

え、苗字知ってくれてたんだ

そんなちょっとした事にさえ心が踊ってしまう俺だけど、今は落ち着いた男を演出した感じで聞き返す。

もしかしてあれから俺の事調べてくれた？？

少し期待したけど、どうやら店長に聞いたらしい。

調べるわけないかと内心凹んでいると、俺が今日もここに来たことに驚いたと言う。

ここで目黒なら、「俺はタピオカが飲みたいんじゃなくて、Aさんに会いに来たんすよ？」とでも返せるのだろうか。

少しでもこの想いに気づいて欲しかった俺はつい、まあまあクサくてらしくないことを言った。

するとAさんは顔を赤くしてあからさまに目線を逸らす。

お、気付いてくれた？作戦成功？

と思ったけど、どうやら店長のことだと思っているらしく早口になるAさん

いやそれほんとに店長のことだと思ってる？

俺、顔赤くなったの見逃してないよ？

期待しちゃうけどいい？？

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