甘党カレシ（黄） (ページ21)

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(岩本side)

収録が押してしまって局を出たのが19時20分

あのお店が閉まるのは20時

よりによって今日はタピオカ屋に近いスタジオじゃなかったためマネージャーに車で飛ばしてもらっても微妙なライン

ほかのメンバーの準備が終わるのを待つ時間でさえ惜しくて、マネージャーには電車で帰るとだけ伝えて足早に駅に向かった。

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お店の最寄りに着いた頃は20時10分を回っていた

駅からお店まで急いで走る。

お願いだから居て…

早くなる鼓動を抑えながら曲がり角を曲がると、ちょうどシャッターを閉めているAさんがいた。

『…いわ、もとさん？』

いきなり現れた俺にAさんは目を丸くする

「…久しぶり、Aさん」

『1週間ぶり？くらいですかね…あっ、今日もお仕事遅くまでお疲れ様です』

そういう丁寧なとこに惹かれるんだって、

『ちょうど今お店閉めちゃって、店長が片付けてなかったらまだお作りできま「そうじゃなくて」

俺が少し大きめの声で言葉を遮ると、え？と声を漏らすAさん

「あーいや、今日はタピオカ買いに来たとかじゃなくて…

Aさんに会いたくて来た」

『ちょ、岩本さん何言って「嘘じゃなくて本当」

『…』

耳を赤くしながら口元を手で隠して固まるAさん

マジで可愛すぎてこっちが恥ずかしくなるって…

「この後予定無かったらでいいから、ちょっと話したいことがある」

『私は、この後大丈夫です』

「良かった…、じゃたここ曲がったとこで待ってるから、全然急がなくてゆっくりでいいからね」

そう言って俺はAさんの顔を見れないまま曲がり角を曲がった。

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