炎柱の妹は風柱の継子で……2

58ノ型 隊服 ページ14

最終選別から5日程が経ち鍛錬していると誰かが玄関の扉を叩いた。


実弥「縁側に来い」


扉の音に反応した実弥さんは大声で入って来いと言った。
玄関に行かず来いと言ったのだから知り合いの人なんだろう。顔があまり見えないけど眼鏡の人だ。


実弥「Aの隊服を見せろォ」


何で実弥さんは怒っている音しているの？


実弥「Aも一応見ておけェ」


そう言われ実弥の近くに行き、袋から取り出しているのを見ていた。


「何なのこれ」


隊服だと思われるものだけどスカートタイプでしかも短い。表が気になってひっくり返すとボタンが一番下しかなく胸が見える……そう言えば胡蝶さんに言われた事を思い出した。 しのぶ『それと…ゲスメガネの前田という隠が隊服を持ってきた時には注意して下さい。そいつが隊服を持ってきた時には油をかけて燃やすか不死川さんの日輪刀でも良いので切り裂いて下さい。最悪そいつを脅して下さい』と。こいつが胡蝶さんが言っていたゲス眼鏡という奴か。


「実弥さん、日輪刀を貸して下さい」

いつもより声が低かったと思う。


実弥「成る程なァ。殺るんだなァ？」


ｺｸｯと頷いて実弥さんの日輪刀を受け取った。呼吸は使わず切り裂けば良いのだけどゲス眼鏡には痛い目に合わせないと気がしない。


「光の呼吸捌ノ型 光炎！」


ゲス眼鏡「畜生！」


ゲス眼鏡はそう言ってそそくさと去っていった。今度こんな隊服持ってきたら殺すから！


実弥「着ずに気付いてくれてよかったわァ」


「胡蝶さんと実弥さんが言っていた事を思い出しただけです」


実弥「偉いぞォ」


実弥さんは笑顔でワシャワシャと私の頭を撫でた。髪が崩れる。



今ドキッとして一瞬胸が締め付けられた。



次の日にまたゲス眼鏡が来た。怯えている音がするけどあんな奴どうでも良い。


ゲス眼鏡「こちらです」


実弥「今度はちゃんとしたのだなァ」


ゲス眼鏡「でっでは失礼しました！」


ゲス眼鏡は今度はきちんとした隊服を持ってきてくれた。
最初からそうすれば良いだけの事なのに…


実弥「A着てみてくれェ」


5分後、隊服に着替えて縁側にいる実弥さんの所に行った。


実弥「似合っているぞォ。それとこれだァ。羽織」


羽織は白い生地に裾と袖辺りが黄色く炎のようだけどその周りに星がまばらに描かれている。可愛い。


「ありがとうございます」


実弥さんから貰った羽織を着てみると寸法は丁度良かった。

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