41ノ型 思いと葛藤 ページ42
杏寿郎「Aには最終選別に行って欲しくない。老いるまで何処かで所帯を持って幸せに暮らして欲しい。今ならまだ間に合うから最終選別を取り消してくれ!」
何でそんな事言うのか理解出来ない。兄さんが泣きそうな音をしているは分かっている。でも、
「嫌だ!最終選別に行くのは諦めない!それに最終選別受けようが受けまいが私の勝手だ。大切な誰かを守るために受ける!」
私はこの場に居るのが辛くなり、走って自分の部屋に行った。部屋に入ってから我慢していた涙が溢れ出していた。
「何で……最終選別を受けたら駄目なの?私は…… ここまできたのに…」
誰かの足音がする。実弥さんか?足音が私の部屋の前で止まった。そして襖が開いた。
実弥「こんな所に居たのかァ」
やはり実弥さんだった。襖を閉めて私の目線に合わせて座った。
実弥「お前の兄の意見も一理ある。俺だって前に話した弟に同じ事言うと思う。Aが兄を死なせたくないのと同じでお前の兄もAを死なせたくないんだ。だが俺は、Aの意見も大切だと思う」
実弥さんは優しい言い方で話してくれて、頭を撫でてくれて、余計に涙が溢れてくる。
実弥「俺を頼れェ。1人で抱え込むなァ。Aのの兄にはAの意見を尊重するように言ったから」
「実弥さん…」
実弥「A…」
今度はそっと抱擁してくれた。実弥さんが私の腰に手を回していて、私も実弥さんの腰に手を回した。
好きだなぁ。
実弥「俺もAが好き」
「えっ?!」
実弥「心の声漏れてんぞォ」
心の声が漏れていたなんて恥ずかしい。 それに実弥さんが私の事を好き!?有り得ない。でも嘘の音はしなかった。
実弥さんの心音が速いのが伝わってくる。
「実弥さん、ありがとう。でもまだ気持ちの整理が着いてないです」
実弥「さっきのは独り言だと思え…と言いたいが、Aは耳が良いからお見通しなんだよなァ。気持ちの整理が着いたらで良いから」
本当に実弥さんは優しい音がする。気持ちの整理が着いたら返事するからだから待っててね。
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作者名:ツナミカワ | 作成日時:2020年11月13日 20時