40ノ型 縁側で… ページ41
実弥「Aこんな所に居たのかァ。風邪引くぞォ」
実弥さんはそう言ってから私の左側に腰掛け、空の見つめていた。
「少し涼みたかっただけですから」
実弥「嘘言うなよォ。ただあそこに居づらかったんだろォ?」
「実弥さんは何でも分かってしまうのですね」
実弥「だいたいお前が嘘付く時は下を向いて指を見ているだろォ?それに2年も一緒に居るんだからなァ」
本当に実弥さんには何でもお見通しみたいだ。確かに2年も一緒に居ればお互いの特徴なんて分かってしまうものだ。
実弥「今日は月が綺麗だなァ」
えっ! 私は驚きが隠せない状態だ。なんせ実弥さんが爆弾発言をしたから。それに私の顔が赤くなっている。
「実弥さん、唐突に聞きますけど、今の言葉の意味分かって言っているのですか?」
実弥「当たり前だァ。それにA以外には言わねぇ」
私の顔が更に赤くなった。そして今度は実弥さんが近づいてきて、鼻と鼻がくっつくくらいまでの距離に詰められた。
どうしよう!私の心音が速い。このままだと心臓の鼓動が聞かれてしまうのでないか?それだけは避けたい。
「アノ、実弥さん、顔が近いデス」
実弥さんの顔が近すぎて片言になってしまっていた。
実弥「鬼なんか居なければAを嫁に貰っていた」
実弥さん、恥ずかしいよ。ボソリと言って私に聞こえないくらいの小さな声でそんな事言ったって聞こえたんだから…
実弥「それはあくまでも仮定の話なァ」
仮定ではないでしょ!本当に嫁に貰いたいという音がしているよ。 それに加え不安と恐怖の音がしていて複雑だ。
それからはお互い無言となった。沈黙を破ったのは…
杏寿郎「A!こんな所に居たのか!」
まさかの兄さんだった。
杏寿郎「不死川と何の話をしていたのだ?」
「別に」
地味に告白されたなんて言える筈もなく、冷たい態度で兄さんに接してしまった。 なのにそれでも兄さんはいつもと変わらないように接してくれている。
杏寿郎「全集中常中出来ているな。感心感心」
そう言って兄さんは私の右に腰掛けた。
私は特に話す事もなく、ただ縁側に座るだけになっていた。一瞬沈黙になったけど、兄さんが口を開いた。
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作者名:ツナミカワ | 作成日時:2020年11月13日 20時