14ノ型 ページ15
「ん?」
実弥「どうしたァ?」
「人が助けを求めている音がします。それに鬼の音もします。もしかして誰か襲われているかもしれないです」
実弥「付いて来い」
実弥さんにそう言われ、人が居るであろう所に着いた。
実弥「A、これを持て!実践だァ」
いきなり実弥さんの刀を渡されて戸惑いが隠せない。
実弥「集中して鬼の頸を狙え。ヒノカミ神楽でなくても良い。大丈夫だァ、Aなら出来る」
実弥さんは、大丈夫だと言い優しく微笑んでくれた。なら実弥さんの言葉を信じる。人を助けたい!心を燃やせ!
「シュウウウゥ」
実弥「!?」
鬼「稀血の女も居るなァ」
スパーン!!
鬼「えっ斬られた。早くて見えなかった」
えっ…斬れた!?
私は渡された刀を見つめたまま棒立ちになっていた。何が起こったのか分からない。でも鬼の頸が斬れた感覚はあった。
実弥「成る程なァ」
「何を納得しているんですか?」
実弥「俺は、Aに風の呼吸を教えようと思っていた。だが、お前、風の呼吸使えねぇなァ、そんな気がする」
「そうなんですね…少年、大丈夫?」
少年「お姉ちゃん、ありがとう」
この少年が無事なら良い。でも…この少年、悲しい音がする。
「少年、もしかして……親か誰か殺されたの?それともお友達が?」
少年「……ううん。僕は、お母さんが病気で死んだ。お父さんは仕事で夜に帰って来るけど、お父さんが怖いから」
「実弥さん、この少年……」
実弥「同情はするなァ。おい餓鬼ィ、お寺に行けェ。お前の父親から逃れる事が出来るぞォ。それが嫌なら帰れェ」
実弥さん言い方。少年泣きそう。
実弥「とりあえず気を付けて帰れよォ」
「少年、これ持っておいて。少年を守ってくれるから」
そう言って私は少年に藤の花の入ったお守りを渡した。
少年「お姉ちゃん、お兄ちゃんありがとう」
少年は手を振り帰っていった。ありがとうと言われるのはやっぱり嬉しい。
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作者名:ツナミカワ | 作成日時:2020年11月13日 20時