表４５* ページ46
Aside
吉「今は…詳しくは話せないが……俺は桐生氏を裏切ってはいないし、お前たちの味方だ。
ただ、もう少し俺は中村の仲間を装わなれればならない。」
彼の目を見た。
嘘は……言っていない。
「理由って…聞いてもいいのですか？」
吉「理由とは…………」
「どうして、私たちを騙すような事をしたのか…なぜ、私と結婚しなければいけなかったのか…」
しばらく無言が続く。
重苦しい空気の中、吉村が口を開いた。
吉「……全ては君たち桐生家の人を守るためだよ。」
私たちを守る。
吉「詳しくは今は言えない………だけど、あのときはああするしかなかったんだ。
君にはすまないと思ってるよ。若い身空でこんなおじさんと結婚をしなければいけなかったんだからな。
だけど、あのときは……お母さんとお兄さんを守れるのは君しかいなかったんだ。」
よくわからない。
でも、彼の今の言葉は信じられると思った。
「……………私はあなたを信じます。
以前のあなたは信用出来なくて…私の敵だと思ってました……でも、今のあなたなら……信じられる。」
吉「ハハッ…やっぱりAは肝が据わってるな。
心配しなくても大丈夫だ！…アイツの最期を見届けたら………離婚しよう。」
「えっ……離婚？」
確かに私はずっと離婚したかった。
だけど……どうして、このタイミング？
私の気持ちがバレていたってこと？
吉「何を考えてる？
恋人の事がバレたと思ってるのか？」
「！！………それは……」
吉「怒っている訳でも、責めるつもりもないよ。
君に恋人……とは公言していないようだけど…そうゆう人物がいることは知ってるし、元々これは擬装結婚だ…アイツの最期を見届けたら別れるつもりだったからな…」
はじめからこの人はすべてお見通しだったんだ。
徹の事も、私と徹の事も知ってた。
そして、この結婚も私たちを助けるため。
どうして、ここまでこの人はしてくれるのだろう。
「あの、どうして……私たちを助けてくれるのですか？」
吉「……恩返し…だよ。
俺は桐生氏から生涯掛けても返せない程の恩があるから……君たち家族を守ることなんて、俺がする当然の事なんだ。」
笑った顔………
あの頃の、優しかったお兄さんの笑顔だ。
私の大好きだった、お兄さんの笑顔。
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みぃさん(プロフ) - 月夜さん» ご指摘ありがとうございます。確かに太宰くさんは〔私〕ですね。わかってたのに、間違ってました。すみません。ゆっくりになりますが更新していくので、お楽しみに！！ (2018年2月13日 10時) (
レス) id: cda30a70c8 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - お話とてもおもしろかったです！あの、太宰さんは一人称が[私]じゃなかったですかね？間違ってたらすいません！更新頑張ってください！ (2018年2月12日 20時) (レス) id: bd264965d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぃさん | 作成日時：2017年12月5日 17時
