裏42* ページ43
吉村side
俺の両親は会社を経営していた。
しかし、父は友人に騙され莫大な借金を背負う事になり、自らの命と引き替えに俺達を守ってくれた。
だが、父の死は母には耐えられるものではなかったようで、あとを追うように海へと身を投げた。
俺は17歳という歳で両親を亡くし、親戚の世話になるようになった。
親戚の家は…当然ながら俺の居場所なんてものはなく、学校が終わるとバイトに身を費やし、寝に帰る……そんな毎日を送っていた。
そんなある日、バイト先で出会ったのが桐生氏だった。
ナゼかわからないけど桐生氏は俺の事を買ってくれていて、自分の所に来て経営を学ばないかと言われた。
経営…………ゆくゆくは自分の会社を持ちたいと思っていた俺にとっては願ってもいない話だった。
それからはトントン拍子に話が進み、俺は学校に通いながら帰ってきてからは桐生氏から経営学を学ぶ、そして桐生氏のお屋敷にお世話になることになった。
桐生氏には二人のお子さんがいた。
兄の隼人くんは聡明で人当たりもよく、可愛らしい男の子だった。
妹のAちゃんは、少しお転婆だけど、とっても優しくて人の事を思いやれる天使のような女の子だった。
俺はこの二人の事がとても可愛くて大好きだった。
一人っ子だった俺は兄弟ができたような、そんな気分だったに違いない。
だから、時間があけば二人の遊び相手をするようになった。
そして、そんな日々を送るうちにある事実がわかってきた。
それは……俺の父がナゼかあのような最後を遂げなければならなかったのか……誰のせいで莫大な借金を背負う事になったのか……それがわかった。
ソイツは、桐生氏の経営する会社の重役だった。
名前は中村雄一郎……
その時から俺はコイツに復讐する為に、計画を立てた。
まずは、対等にみられるための資産を作ること。
桐生氏の手解きと、会社を立ち上げるための資金を桐生氏に借りて俺は自分の会社を設立した。
そこからは、ほんとに文字通り一生懸命脇目もふらずに、会社を大きくすることだけを考えて働いた。
そのお陰もあって10年の月日は流れたが、桐生氏の会社と肩を並べる程の大企業へと成長した。
その間、ずっと影から見ていてくれた桐生氏へ会いに行った日の事だった。
俺はアイツが桐生氏から会社を乗っ取ろうとしている事を知ってしまったんだ。
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みぃさん(プロフ) - 月夜さん» ご指摘ありがとうございます。確かに太宰くさんは〔私〕ですね。わかってたのに、間違ってました。すみません。ゆっくりになりますが更新していくので、お楽しみに!! (2018年2月13日 10時) (レス) id: cda30a70c8 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - お話とてもおもしろかったです!あの、太宰さんは一人称が[私]じゃなかったですかね?間違ってたらすいません!更新頑張ってください! (2018年2月12日 20時) (レス) id: bd264965d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みぃさん | 作成日時:2017年12月5日 17時