永遠 S!N ページ7
「もう別れようか」
デートの最中に彼女であるAから出た言葉は理解できなかった。
俺のベッドの上に座って寂しそうな顔をするA。
俺のなにがいけなかった?
昨日まで、いや、今までそんな素振りを見せなかったAには疑問しか浮かばなかった。
S「なんで別れたいの」
そう聞くとAは少し笑った。
「他に好きな人ができたの」
そう言うAの目は輝いていた。
俺よりもよっぽど良い男なんだろう。
でも俺はそんなの嫌だ。
Aをベッドに押し倒してキスをする。
深く...
深く...
俺のことしか考えることが出来なくなるように。
丹念なキスは、Aを混乱させるには十分だった。
それでいい。
俺のことだけ見て。
俺のことだけ考えて。
俺のことだけ想っていて。
もう一度キスをしようとすると、Aは口を手で隠した。
「もう駄目...私には他に好きな人が...」
そう言うAに苛立ちを覚えた。
目の前に居るのはソイツじゃなくて俺なのに。
なんで俺を見てくれないんだよ。
俺はAの顔を手で包んでこっちを向かせた。
S「今は俺のことだけ考えてよ」
そう言うと少し赤くなった顔にまたキスの雨を降らせた。
今度はさっきよりも丹念に、執着的に。
手で少しずつ服を脱がせ、身体を愛撫した。
そのたびに今まで聞いたことがないような声を放つ。
羞恥心と混乱がAの胸に渦巻いて、ちゃんと抵抗出来てない。
そんな隙を狙って貪る俺はただの飢えた獣。
飢えた獣でもいい。
君の心が少しでもこっちに向くなら。
S「ゴメンね」
疲れて寝ているAにそう囁く。
目の下には泣いた痕がある。
まだ少し残っている涙を拭き取り、優しくキスをした。
これでAは俺のことを考えてくれる。
でもこんな嘘、いつまでも続く訳じゃない。
今日みたいな日がまた来るかもしれない。
それでもAと少しでも一緒に居たい。
Aと過ごす1分1秒がとても大切で...
こっちに振り向かせても、すぐに元通り。
何度振り向かせても、永遠なんてない。
だから、何度でも振り向かせてあげる。
君の心を俺が騙してあげる。
君の心を俺の嘘で一杯にしてあげる。
君が永遠に俺だけを好きでいるように...
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