お酒 うらたぬき ページ5
目に見えるものが補正されたみたいにキラキラ光ってて、少し曖昧な。
フラフラするけど立ってられない訳じゃない。
それがなんだか気持ちよくて、お酒ってすごいなって思った。
一緒に歩いてるうらたに「酒臭い」とか「フラフラし過ぎ」とか。
そんなことを言われたけど自分ではよく分からなかった。
初めてお酒を飲んだからこれが酔っぱらうってことかって。
うらたの言葉から推測できた。
「酔っぱらうってすっごく気持ちいいね、うらた」
そう言ってうらたに持たれ掛かった。
嫌そうな顔をされたけど退くことができる力が残ってなかった。
きっと私はそのまま眠りについた。
目を開けると電気の灯りが眩しかった。
何回も来たことあるからここがうらたの家だって分かった。
うらたのベッドを使ってたみたい。
うらたはベッドの端に座ってゲームをしていた。
まだ酔いがとれてなくて、勢いでうらたに抱き付いた。
「うらた?...何、してるの??」
うらたのお腹のほうに手を回して抱き寄せる。
うらたの甘い匂いが漂ってきて服に顔を埋める。
う「はっ?!ちょ、おい...」
そう言ってうらたは私を剥がそうとする。
なんでそんなに焦ってるんだろ?
そう思ってゲーム画面を覗くと、エロゲ。
エロゲ。
女の子の露出画像が表示されて、今にも口説こうとしている画面だった。
「うらた...」
静かに顔を手で覆っているうらた。
少し顔が赤くなってる。
「うらたも男なんだねーー!!前に坂田達との放送でそういうの嫌いだって聞いてたから意外だったけど、そりゃ見ちゃうよねー!!ごめんね、覗いちゃってー!今から私もう一回寝るから続けて続けて!!」
なんだろうこの親戚のおばさん感。
そう思えるほど自分の反応は意外なもので。
だからこそうらたに押し倒されてる現状が全く理解できない。
う「俺だってこういうの、興味あるよ。お前のことめちゃくちゃにしたいって思ったりもするし、俺のものにしたいとか」
そう言ってうらたは私の口を塞いだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
